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2024.4.5

「光る君へ #13 進むべき道」元カレ道長の家に元カノまひろがやってきた!ふたりの4年後とは。

こんにちは、今週はN子がお当番です。13回目「進むべき道」は、あの庚申待ちの夜から4年後が描かれていました。道長は倫子さま、明子さまと結ばれ、倫子さまには彰子姫が誕生。遅れて明子さまも妊娠を道長に告げておりました。4年後のまひろは状況変わらず。父・為時の仕官は叶わず、お買い物に出掛けて、自分で育てた野菜と物々交換しようとしたり。ジリ貧生活は続行中です。





少しでも社会を変えたい!
世直しまひろ、識字教育にまい進?

 

市場で出くわした出来事で、まひろは庶民に読み書きを教えることを決意。読み書きが出来ないことで、だまされ、不利な状況に追い込まれることを少しでもなくしたい。そして社会をより良いものにしたい……まひろの思いは以前とちっとも変わっておらず、貧乏なのにお金にならない庶民への識字教育をおっぱじめます。

 

 

先週、M男さんが、「光る君へ」で平安時代の雅やかな宮廷生活だけでなく、さまざまな女性の思いを描き、従来のイメージを覆していると評価されていました。確かにそうですね。しかし、お坊さんとか、尼さんがやるならまだしも、識字教育はどうなんだろう?まひろの意識高いところが平安時代じゃなくて、令和基準だなと思うんです。

 

 

今後、道長がまひろの活動を支援したりするのかしらん? そうなったらまるでTV時代劇「大岡越前」みたいでは?大岡越前とその幼なじみで医師の榊原伊織。病の庶民を助けるために伊織の営む小石川療養所を陰ながら支援する越前……ってことになるのでしょうか。





型にはまらない女性像・まひろだからこそ
紫式部となりえるのかも

 

以前に書いたかもしれませんが、私、ビルドゥングスロマン、いわゆる成長物語、それも社会変革を目的とする大きな成長物語が苦手です。「広い世界を見たいー」だの「世の中を変えたいー」みたいな大きな物語ではなく、もっと人間の内的成長に興味があるんです。しかし。ちょっと私は思い直しました。

 

 

以前、源氏物語研究で有名なある先生が、おっしゃていた言葉を思い出したのです。先生いわく「源氏物語」は当時としてはかなり規格外の作品だったそうです。当時は「うつぼ物語」などのように、怪異現象を描いたものが多かったと。「源氏物語」も六条の御息所の生霊が葵上を取り殺したりするなど、怪異は描かれていますけど、それがお話しのメインではないですよね。当時の主流であった多くの物語は散佚(さんいつ)したり、残っていても読まれなくなったりしているけれど、あまりにも大きく異なった「源氏物語」だったからこそ1000年を生き残ったのではないかと。

 

 

そう考えると、まひろという女性が、平安時代のステレオタイプな姫のように描かれるのではなく、規格外の大志と行動力を持った女性として描かれてもいいのかもしれません。N子的には「源氏物語」ってほんと、すごい作品だと心底思っています。近代小説か?っていうくらいの描写などもあり、平安時代にこれだけのものが書かれたことに驚くのです。だから爆発的なエネルギーを持つまひろという女性像は、規格外の作品「源氏物語」の作者としてふさわしい描き方なのかもなあ……と思い直しました。




老境突入の兼家。定子さまの入内。
ここから怒涛の世代交代へ

 

兼家の老いっぷりも加速した週でしたね。その様子に周囲もザワついていました。世代交代の波はどんどん押し寄せてきます。兼家の長男、道隆の娘・定子さまが一条天皇に入内。姉さん女房だけれども、明るくて愛嬌のある定子さまは、まだ少年の一条天皇と楽しくかくれんぼをして遊んだりして、すでにしっかりとハートをゲットしていました。ああ定子さまがあどけなくてお可愛い。愛されキャラだわ。

 

そして、彰子さまも登場です。お父さまの道長に似て言葉も遅くて、ぼーっとしている姫さまみたい。そうかあ。明るくて人懐っこい愛されキャラど真ん中の定子さまの魅力にこりゃ負けるよなあ……。こののち道長はまひろさんを彰子さまの女房に迎えてサロンを形成し、その魅力でもって一条天皇のお心をつかもうとするわけですわ。「源氏物語」の執筆の過程なども描かれていくのかな。そういう伏線を想像しながら見ていました。



元カノが家にいるよ?なんで?
そこでバッタリ会っちゃうあたりが罪作り!

 

お優しい倫子さまが、職を探しているまひろさんを久しぶりにお家に呼んで、おしゃべりタイムです。道長の文箱から勝手に文を持ち出し女からかも?なんて、おいおいそれはまひろさんの文だよ!と、見ているこっちがハラハラしました。それよりまひろ!ノコノコ出掛けていって、道長が帰ってきたらどうするのよ?え?と思っていたら、案の定です。道長、ご帰宅。バッタリ会っちゃうシーンで今週終わり、って最高っす。元カレの家に呼ばれて行くなよ!って思ったけど、こういうすれ違いと偶然の再会、大好物です!

 

 

しかし、明子さまは兼家の扇をもらって呪詛に励むし、なかなか盛りだくさんの回でございました。明子さま執念深いなあ。六条の御息所の人物造形に寄せてるなー!そして今後、まひろに嫉妬心を燃やす展開になるらしいです。倫子さまはまひろと道長の関係を知っても、それでも彰子さまの女房に迎えるのかしら?と、さまざまに想像も妄想も広がり続ける回でした。来週も楽しみです!




「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……

Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!

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