九島辰也連載 メルセデスベンツCLEカブリオレ
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カーライフその先の未来へ

2024.8.30

メルセデス・ベンツが真面目につくったオシャレなオープンカー「CLE カブリオレ」











日本の夏でも快適走行できる、カッコよくて実用的なオープンカー

 

屋根の開くクルマを見ると、「夏だ!オープンカーだ!」なんてフレーズが頭によぎる。昔からテレビCMや有名アーティストのプロモーションビデオでそんなシーンが流れ、刷り込まれてきた。が、現実そうではない。ここ数年の異様なまでの暑さで、屋根の無いクルマはもはやガマン大会状態。というか、生命の危険を感じるからやめた方がいいとさえ感じてしまう。エアコンをガンガン入れてもこの肌を嗅がすような日差しは容赦なく降り注ぐ。

 

それじゃ昔は大丈夫だったかといえば、実はそうでもなかった。若い頃からオープンカーを愛用してきたが、真夏の太陽はどうあがいても無理。はじめは国道134号線から湘南の海を優雅に眺めていても、ひとたび渋滞が始まれば灼熱地獄。電動トップを閉めてエアコンをガンガンに効かすと生き返ったもんである。ただ、そうは言っても当時は夜や朝方は屋根を開けて気持ちよく走れた。夏のナイトドライブなんて最高。オープンカーオーナーの特権だ。最近は夜中も空気がムッとしているから、あの気持ちよさは味わえない。





メルセデス・ベンツの歴代カブリオレの技術を集約

 

 






メルセデス・ベンツの歴代カブリオレの技術を集約 メルセデス・ベンツの歴代カブリオレの技術を集約

ボディサイズは全長4850mm×全幅1860mm×全高1425mm、ホイールベース2865mmで、CLEクーペ(全長4850mm×全幅1860mm×全高1420mm)とほぼ同サイズ。








なんて話をするのには理由がある。メルセデス・ベンツから素敵なオープンカーが登場した。CLEカブリオレである。オシャレな4シーターオープンモデルだ。

 

このモデルはメルセデスのラインナップの中で現在唯一の4シーターオープンとなる。かつてはEクラスカブリオレ、Cクラスカブリオレがあったが、それが統一された感じだ。この他に2シーターの屋根開きがあるが、そちらは“ロードスター”と呼ぶ。なのでこいつは唯一の“カブリオレ”。ちなみに、冒頭から“オープンカー”と記しているが、これは和製英語なのでお間違いなく。アメリカでは“コンバーチブル”、ヨーロッパでは“カブリオレ”が主流で、一般的には“オープントップ”などと呼ばれる。

 

そんな彼ら唯一の4シーターオープンはワングレードで販売される。グレード名はCLE 200 カブリオレ スポーツ。文字通りエンジンは2リッター直4直噴ターボを搭載する。が、そこにモーターも付随しているのはイマドキ。スタートと加速のアシストをするモーターを持ったマイルドハイブリッド仕様となる。おかげで2リッターとは思えない力強さ。今回は東京と横浜の間の高速道路を往復したが、終始気持ちよく走った。低回転領域ではモーターが、回転が上がってくるとターボが過給し、増幅したパワーがクルマを前へ押し出す。何も聞かされずに走らせれば、排気量が2リッタ―だとは思わないだろう。








快適な走行を目指して、あらゆる工夫が仕込まれている

 

 

ではキモとなるオープントップだが、彼らはそれを幌型のソフトトップにした。かつてのメルセデスはメタルトップを積極的に取り入れていたメーカーだが、ここ数年原点回帰のようにそれを採用している。メタルトップよりも軽量でシンプルな構造のこちらの方がメリットは大きいという結論なのだろう。ビジュアル的な面でも幌型の方が趣があってオシャレに見える。

 

開閉はスイッチひとつで行える。稼働時間はおよそ20秒。ピッ!という電子音が鳴るまで押し続ければ完了。頭の上に青い空が広がる。しかも、開け閉めは走行中もOK。時速60キロ以下であれば操作可能となる。今回も東京湾トンネル手前からノロノロと渋滞が始まったので、すかさずトップを閉めた。











「Cクラス クーペ」と「Eクラス クーペ」の統合によって生まれた「CLEクーペ」のオープントップバージョン。 「Cクラス クーペ」と「Eクラス クーペ」の統合によって生まれた「CLEクーペ」のオープントップバージョン。

「Cクラス クーペ」と「Eクラス クーペ」の統合によって生まれた「CLE クーペ」のオープントップバージョン。






屋根をオープンにした状態での走りでは、走行中もあまり風を嫌に感じることはなかった。通常この手のクルマはキャビンに巻き込まれた風が入ってきてわずらわしいのだが、こいつはそれが少ない。左右の窓を立てておけば、横からの風も、後ろから入る巻き込まれた風もそれほど気にならなかった。きっと基本設計がいいのだろう。すこぶる快適だ。

 

 

それでもキャビンに進入する風が気になるのであれば、エアキャップを使うといい。これはフロントのウインドウディフレクターと後席後ろのドラフトストップからなるもので、空気の流れを整え、リアからの風の巻き込みを低減させる。後部センターから逆流してキャビンに入る風を遮断するので、レディの長い髪を逆撫ですることはない。この辺の気遣いはさすがメルセデス。使い手の立場で設計されているのがわかる。ユーザーフレンドリーな一面だ。








車両本体価格は936万円(消費税込)~。 車両本体価格は936万円(消費税込)~。

車両価格は936万円(消費税込)~。




本革内装を選択すると、「マルチコントロール・シートバック・パッケージ」(運転席・助手席)やシートベンチレーター&シートヒーターが前席両側に備わっている。 本革内装を選択すると、「マルチコントロール・シートバック・パッケージ」(運転席・助手席)やシートベンチレーター&シートヒーターが前席両側に備わっている。

本革内装を選択すると、「マルチコントロール・シートバック・パッケージ」(運転席・助手席)やシートベンチレーター&シートヒーターが前席両側に備わっている。






この他にも、シート首元からエアコンの風を噴き出すエアスカーフなど手の込んだ装備は多数あるが、個人的に注目してもらいたいのはスタイリングである。どんなにオープンエアモータリングが快適でもクルマがカッコ悪ければお話にならない。が、このクルマはかなりカッコイイ。ボンネット、キャビン、リアのバランスが実に良くできている。やはりオープンカーはカッコ良くあってほしいからね。その意味でもこのクルマには注目したいと思う。

 

 

しかもスタイリングが良くて実用性もある。リアシートのない2シーターロードスターと違ってリアシートにカバンを放り込めるのがグッド。やっぱこのスペースって便利なんだよね。クルマの横でジャケット脱いでポンとリアシートに投げ入れる。こんなオープンカーを普段使いしている人がいたら、相当オシャレに見えちゃいます。

 

画像提供:メルセデス・ベンツ日本






九島辰也 Tatsuya Kushima

 

モータージャーナリスト兼コラムニスト。現在、サーフィン専門誌「NALU」のメディアサイト編集長、メディアビジネスプロデューサーを担当。これまで多くのメンズ誌、ゴルフ誌、自動車誌、エアライン機内誌などの編集長を経験している。メディア活動以外では2023-2024日本カーオブザイヤー選考委員、(社)日本葉巻協会会員、日本ボートオブザイヤー選考委員、メンズゴルフウェア「The Duke`s Golf」のクリエイティブディレクターを務めている。

 

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