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カーライフその先の未来へ

2025.6.28

スバル 新型フォレスター 発売後から人気高まる新たなスバルの挑戦











依然と続く人気のSUVの時代の変遷

 

原点回帰という言葉があるが、今SUVカテゴリーのクルマにそれが起きている。背の高い特性そのままにオフロード色を濃くしたモデルに人気が集まっているようだ。

そもそもSUVはオフローダーの特色が強い。ベースはピックアップトラックでそこにリアシートとFRP製キャノピー(ベッドを覆う物)を取り付けたのが起源となる。要するに働くクルマを乗用にしたものだ。日本では90年代までRVなんて呼ばれていた。トヨタハイラックス、日産テラノ、三菱パジェロ、いすゞビッグホーンなどだ。懐かしい。

ただ、2000年以降プレミアムSUVが台頭し様子は変わった。オフロード色は薄くなり、セダンやステーションワゴンの代わりとなる乗用車っぽく乗られるものになった。SUVクーペなんてスタイリングが出現したのもその流れ。泥臭さは微塵もない。

 

 





ところがコロナ禍からのアウトドアブームがSUVに異変をもたらした。原点回帰的オフローダーに再び注目が集まったのである。輸入車で言えば、メルセデス・ベンツGクラスやジープラングラー、国産ならランクルファミリーやジムニーあたり。あまりの人気から生産が追いつかない現状だ。

 






歴代フォレスターで、過去最多の初月受注台数1万台オーバー

 

 

そんな流れの中、姿を現したのが今回の新型スバルフォレスター。これまで背は高いがオンロード志向の強かったキャラクターをガラリと変え、見るからにアウトドアに出かけたくなるようなスタイリングで登場した。ボンネット位置は高く、リアピラーが立っている。そしてその読みはズバリ当たり大人気となっている。初月受注台数は1万台オーバーを記録。これは歴代フォレスターでは過去最多台数となるらしい。




「Premium S:HEV EX」 「Premium S:HEV EX」

「Premium S:HEV EX」アイサイトX搭載の上質なストロングハイブリッドモデル。4,598,000円 (税込)〜






リヤバンパーの下で足を動かせば利やゲートが自動で開閉。 リヤバンパーの下で足を動かせば利やゲートが自動で開閉。

見る者に力強さを感じさせるオフローダー的なリアのスタイリング。





ではその詳細だが、パワーソースは2種類用意される。2.5リッター水平対向エンジン+2モーター&リチウムイオンバッテリーのストロングハイブリッドと1.8リッター水平対向エンジンターボのガソリン車だ。ストロングハイブリッドは、従来あったマイルドハイブリッドに代わるカタチでのラインナップとなる。ギアボックスはお馴染みのリニアトロニックだが、これも進化させているのは見どころ。CVTのネガティブポイントはかなり消されていた。駆動方式は全モデル4WDとなる。

 






オフロード走行に関しては、Xモードを切り替えることで3つの路面状況に対応する。オンロード走行を主眼とした“ノーマル”、少し滑りやすい道用の“スノー/ダート”、それとさらに過酷な条件を想定した“ディープスノー/マッド”だ。それをすべて電子制御で行ってくれるから便利。アクセル開度からトルク配分まで精緻に制御される。ヒルディセントコントロールも同じ。およそ時速20キロ以下であれば、走り出した速度をキープ。速度設定スイッチがあるわけではないので気楽だ。





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車と一体化した走りを体感する。スバルの技術力の高さ

 

 

では、実際に走らせた印象だが、試乗会にはオフロードコースが設定されていて、そこでの動力性能を知ることができた。もちろん、フォレスターは元来そこまでのオフローダーではないので、コースはダートのアップダウン。ロックセクションやマッドセクションはない。それを踏まえた上での感想は、ダートでの安定感と信頼性は高かった。細かい砂がタイヤを滑らせるような路面もしっかりトラクションがかけられる。電子制御で空転しそうなタイヤにトルク配分する手法だ。きっとこの辺の優位性は高いだろう。ゲリラ豪雨のような突然の大雨に効果を発揮してくれそうだ。

 

 




スマートフォンの機能も使えるディスプレイ。 スマートフォンの機能も使えるディスプレイ。

物理的スイッチ類を集約したセンターディスプレイ。





オフロードはストロングハイブリッドのみを走らせたが、オンロードは2つのパワーソースを体験した。そこでの走りもオフロード同様安定した走りだったが、スポーティな動きと気持ち良さの面で1.8リッターターボのガソリン車が光った。アクセルレスポンスの良さと軽快なハンドリングはスバルの真骨頂といったところ。そもそもドライバーとクルマが一体になって走るフィーリングを大切にするスバルだけに、それが見事に再現されていた。カタチがオフローダーになっても、そこは彼らのキャラクターがしっかり表現されている。

 

 

 



といったのが新型フォレスターを走らせた印象。経済性の高いストロングハイブリッドと軽快な走りのガソリン車がマーケットニーズにそれぞれ対応する。でも今回はスタイリングの勝利だろう。トレンドど真ん中のオフロードスタイルが目をひく。そこにスバルらしい実直な技術が投入されるのだからある意味最強かもしれない。



九島辰也 Tatsuya Kushima

 

モータージャーナリスト兼コラムニスト。現在、サーフィン専門誌「NALU」のメディアサイト編集長、メディアビジネスプロデューサーを担当。これまで多くのメンズ誌、ゴルフ誌、自動車誌、エアライン機内誌などの編集長を経験している。メディア活動以外では2024-2025日本カーオブザイヤー選考委員、(社)日本葉巻協会会員、日本ボートオブザイヤー選考委員、メンズゴルフウェア「The Duke`s Golf」のクリエイティブディレクターを務めている。

 

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