九島辰也連載 MINI
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カーライフその先の未来へ

2024.11.30

MINIファミリーの『エース』、オシャレ車の代表選手MINIの電気自動車登場











日本で人気が高いMINIにあふれている“らしさ”に夢中

 

MINIは可愛らしいクルマとして広く認識されている。まるでペットを飼うような気分で納車を待った人は多いことだろう。ポップなカラーのボディを車庫に入れたら、辺り一面明るく見えたりする。それは現代のMINIもそうだが、クラシックMINIの時代から変わらない。90年代後半のモデル末期では生産台数のほとんどが日本向けと言われるほど人気だった。





そんなMINIは可愛いだけでなく、唯我独尊のごとくトレンドを作ってきた。エンジン横置きのFFパッケージから始まり、ゴーカートフィーリングやセンターメーターなどだ。カテゴリーもそう。21世紀に入ってからのMINIは既存の概念にこだわらず、2シーターのロードスターやSUVクーペのペースマンなどを輩出してきた。そして今回現れたのがエースマン。ガソリンやディーゼルエンジンを積まない電池だけで走るBEV(バッテリーEVの略)の専用モデルの登場である。







エースマンはEVのみのコンパクトクロスオーバー車だ。 エースマンはEVのみのコンパクトクロスオーバー車だ。

EVのみのコンパクトクロスオーバー車「エースマン」







ここでMINIのラインナップを整理すると、お馴染みの3ドアハッチバックをメインにそれをストレッチした5ドアハッチバック、それから、来年デリバリーが始まるオープンモデルのコンバーチブルと、3のボディタイプを持つ「MINIクーパー」、コンパクトSUVMINIカントリーマン」、今回の「MINIエースマン」となる。
ちなみに、カントリーマンは旧姓クロスオーバーのこと。国内での登録商標の問題が解決したことで、本来の名称が使えるようになった。





そして、これらのパワーソースで見てみると、3ドアハッチバックとカントリーマン、それとこのエースマンにBEVがラインナップされる。ヨーロッパを中心とした世界的な電動化の流れの中で、こうしたモデルが用意されることとなったのだ。








MINIワールドの世界感を思いっきり楽しむ

 

ではエースマンに話を移そう。名前はまさに “ACE”で、チームのエース的存在になってもらいたいという願いが込められる。それとトランプのエースといった意味もあるそうだから、MINIファミリーの中でもそんな立ち位置なのかもしれない。





サイズは全長4080×全幅1755×全高1515mmで扱いやすいのが特徴。5ドアハッチバックが全長4035×全幅1745×全高1470mmだからほとんど変わらない。ただ、全高は若干高くなりクロスオーバー的要素が強くなる。きっと床下にバッテリーセルを敷き詰める必要があったからだろう。
プラットフォームと呼ばれる基本骨格は3ドアハッチバックのBEVと共有するが、サイズが大きくなったことと、より航続距離を延ばすためには、その方がいいという開発陣の判断となる。背が高くなったといっても都内に多い全高1550mm制限の機械式駐車場に停められるので、問題はなし。逆にアイポイントが高く視界が広い分運転しやすいドライビングポジションとなる。





THE NEW MINI ACEMAN \4,910,000 ~ THE NEW MINI ACEMAN \4,910,000 ~

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MINI内装 MINI内装

中央にある円形のディスプレイが愛らしい




エクステリアデザインは、MINIらしさをしっかり感じる。窓の上下幅が狭いのがそれで、可愛らしくもありスポーティでもある。ヘッドライトは丸型ではなく五角形となるが、それがまた新しい。リアの英国国旗を模したテールランプも新デザインで新鮮だ。この辺のデザインの自由さがMINIワールドと言っていいだろう。それにしてもテールランプにユニオンジャックのデザインを取り入れたのはグッドアイデア。先代のハッチバックからスタートしたこの方式は今や全モデルに波及している。






そしてそのセンスの良さを全力で発揮したのが新世代MINIのインテリア。エースマンもその例にもれずポップでハッピーな空間に仕上がっている。具体的にはセンターモニターに映し出される7種類の“エクスペリエンス”。今回、あらためてモードごとに演出されたエンジン音のようなモーター音を聴いてみたが、本当によく出来ていた。「宇宙船?」的な未来的なサウンドもあれば、ちょっとクラシカルなエンジン音に聞こえるものもある。“エクスペリエンス”は走行モードだけでなく、視覚や聴覚にも訴えているのだ。






グレードはエースマンEとエースマンSEのふたつ。どちらも前輪駆動で、モーターの出力と装備の違いで分けられる。最高出力と最大トルクは前者が184ps/290Nm、後者が218ps/330Nm。一充電あたりの航続距離はそれぞれ327kmと414kmだ。

もちろんこういったスペックも大切だが、MINIで重要なのはボディカラーとオプション。そこであなたのセンスが発揮できるかどうかが勝負となる

 





九島辰也 Tatsuya Kushima

 

モータージャーナリスト兼コラムニスト。現在、サーフィン専門誌「NALU」のメディアサイト編集長、メディアビジネスプロデューサーを担当。これまで多くのメンズ誌、ゴルフ誌、自動車誌、エアライン機内誌などの編集長を経験している。メディア活動以外では2023-2024日本カーオブザイヤー選考委員、(社)日本葉巻協会会員、日本ボートオブザイヤー選考委員、メンズゴルフウェア「The Duke`s Golf」のクリエイティブディレクターを務めている。

 

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