九島辰也連載 ランボルギーニ

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カーライフその先の未来へ

2024.7.31

ランボルギーニが発表した、一千馬力超えのハイブリットカー「ランボルギーニ・レヴエルト」




その驚異的なパワーを、まずはサーキットで体感

 

国の内外を問わず、スポーツカーやスーパーカーのメディア向け試乗会は時としてサーキットで行われる。もちろん、サーキット走行の体験者やレース経験者であるクルマ専門のメディアを対象としてのコンテンツだ。目的は一般道では発揮できないパフォーマンスを味わってもらうこと。そのためかなり高いスピード域でのテストドライブとなる。

 

そんな経験から、これまでいろいろなサーキットで新型車を走らせてきた。国内であれば鈴鹿サーキットや富士スピードウェイ、SUGOやオートポリス。海外であれば、ポルトガルのエストリルサーキットやスペインのアスカリサーキット、アメリカ・カリフォルニア州モントレーのラグナ・セカやジョージア州アトランタにあるオートアトランタあたり。珍しいところでは、F1も走るアブダビのヤス・マリーナ・サーキットなんてのも。この他にも数えきれないほど、世界中でコース上をクルクル回ってきた。クルマ好きからすればこんな幸せなことはない。








ランボルギーニが挑んだ、最高出力4桁の凄さを体感

 

 

先日もそんな体験をした。場所は富士スピードウェイ、クルマはランボルギーニ・レヴエルトである。

 

ランボルギーニは他のブランドよりも比較的多くサーキットを試乗会場とする。クルマがクルマだけに、その実力を体感してもらうにはそれなりの環境が必要ということだ。スペック表からして、一般道では「このパワーどこで出すの?」ってことになる。張り切って公道でアクセルを踏み込んだら、あっという間に免許が無くなりそうだ。










モーターをフロントに2基、リアに1基積む3モーター方式のプラグインハイブリッドを採用。 モーターをフロントに2基、リアに1基積む3モーター方式のプラグインハイブリッドを採用。

モーターをフロントに2基、リアに1基積む3モーター方式のプラグインハイブリッドを採用。








今回用意されたレヴエルトはまさにそんな一台。スペック表に書かれた(システム)最高出力はなんと1015hp。4桁である。280psだ!350psだ!と興奮していたのが遥か昔のように思える。「一千馬力!」超えである。

 

 

それじゃどんなパワーソースを持っているのかというと、ベースとなるのは排気量6.5リッターV12の自然吸気ユニットで、最高出力825hpを発揮する。「え、それじゃ190hp足りなくない?」と思った方正解。内燃機関とは別にリチウムイオン電池を電源とするモーターを3つ搭載するのだ。そう、このクルマはハイブリッドカー。よってエンジンとモーターでシステム合計1015hpに達する。もはやその辺のレーシングカーをごぼう抜きできそうな馬力だ。
レヴエルトは昨年ランボルギーニが生誕60周年を記念して発表した初の本格的なV12プラグインハイブリッドカーで、電動化へ進むひとつのマイルストーンとなるべく登場した。数十年後、ランボルギーニの新たな幕開けとなったモデルとして語られるのは間違いない。








最高出力825PS/9,250rpm、最大トルク73.9kgm/6,750rpm。エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたPHEVシステム全体で1,015hpのパワーを引き出し、0-100km/h加速約2.5秒、最高速350km/h以上のパフォーマンスを発揮する。 最高出力825PS/9,250rpm、最大トルク73.9kgm/6,750rpm。エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたPHEVシステム全体で1,015hpのパワーを引き出し、0-100km/h加速約2.5秒、最高速350km/h以上のパフォーマンスを発揮する。

最高出力825PS/9,250rpm。エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたPHEVシステム全体で1,015hpのパワーを引き出し、0-100km/h加速約2.5秒、最高速350km/h以上のパフォーマンスを発揮する。











彼らはきっとそんなポジションとなるだけにインパクトの大きなパワーソースを積んだのだろう。通常であれば「電動化=エンジンのダウンサイジング」となるが、あえてその逆を行った。12気筒エンジンをそのままにモーターでさらなるパワーアップを図ったのだから恐れ入る。ランボルギーニはこのシステムを“HPEV(ハイパフォーマンスEV)”と呼ぶ。






オーセンティックなデザインがまた心をくすぐる

 

そんなクルマだけに、エクステリアデザインも印象的。スーパーカー然としたフォルムはまさに“ランボ”である。とはいえ複雑で直線的なラインが多い近年のランボルギーニの中では良くも悪くも奇抜さは薄い。割とオーセンティックなのが個人的には好印象だ。

 

 

それでも個性は発揮される。シグネチャーランプとして輝く“Y字”のアクセントと同様のモチーフを取り入れたリアコンビネーションランプはキャッチーだ。これらは暗闇で存在感を発揮するだろう。ドアの開閉方式はハサミをイメージするシザーズドア。カウンタックを連想させる。








2021年にステファン・ヴィンケルマンCEOは電動化されたランボルギーニについて「ランボルギーニの価値を何も変えないために、ランボルギーニのすべてを変えます」語ったが、その言葉通りである。 2021年にステファン・ヴィンケルマンCEOは電動化されたランボルギーニについて「ランボルギーニの価値を何も変えないために、ランボルギーニのすべてを変えます」語ったが、その言葉通りである。

2021年にステファン・ヴィンケルマンCEOは電動化されたランボルギーニについて「ランボルギーニの価値を何も変えないために、ランボルギーニのすべてを変えます」語ったが、その言葉通りである。





外観もそうだが、このクルマはインテリアもまたインパクトが大きい。例えるなら最新型の戦闘機のような印象で、ステアリング上のスイッチやデジタルメータークラスターの意匠がそんな雰囲気を醸し出す。そしてお馴染みのセンターコンソールのスタータースイッチがまたそれを助長する。赤いフタを指で跳ね上げた瞬間から何か途轍もないことが起こりそうな気分になる……。

 

操作スイッチにイタリア語をそのまま用いているのもランボルギーニらしさかもしれない。レヴエルトは4つのドライブモードをセレクトできるが、それをすべてイタリア語表記とした。CITTA、STRADA、SPORT、CORSAがそれ。ここは語学のお勉強にいい。

 

ということで、今回もサーキットで楽しい時間を過ごさせてもらった。当日は雨で路面はウェットコンディションだったが、最近のハイパフォーマンスカーは制御システムが優れているので怖くはない。若干のスリップは勝手にクルマが制御してくれる。もちろんそれがあっての4桁パワー。雨の日のサーキットはハイパフォーマンスカーこそ安全であることを教えてくれる。






九島辰也 Tatsuya Kushima

 

モータージャーナリスト兼コラムニスト。現在、サーフィン専門誌「NALU」のメディアサイト編集長、メディアビジネスプロデューサーを担当。これまで多くのメンズ誌、ゴルフ誌、自動車誌、エアライン機内誌などの編集長を経験している。メディア活動以外では2023-2024日本カーオブザイヤー選考委員、(社)日本葉巻協会会員、日本ボートオブザイヤー選考委員、メンズゴルフウェア「The Duke`s Golf」のクリエイティブディレクターを務めている。

 

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