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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2023.9.22

東京の町中華 厳選3店! バッシー激推しの 町中華の魅力に迫る














普段の食事ならば、町中華はハズせない。餃子、肉野菜炒め、レバニラ炒め、回鍋肉、酢豚、鶏の唐揚げ、麻婆ナス、麻婆豆腐、焼売、炒飯、中華丼、天津丼、ラーメン、焼きそば……。どれもこれも好きなものばかりだね。
町中華の特徴の一つ目は、日本人がアレンジした中華風の日本料理という点である。だから、本土の中華料理とは少々違う。二つ目は化学調味料を大胆に使う点だろう(本格派中華料理で化調は使わない)。

 

 

 

町中華の料理は、単品料理もさることながら、ランチメニューや定食の存在が、われわれの心を揺さぶるのである。レバニラ定食や麻婆豆腐定食、炒飯に半ラーメンとか。気の利いた店ならば、小皿に鶏の唐揚げや棒棒鶏をつけてくれたりして、そのあり様は千変万化だ。ゆえに、町中華はフラリと寄りたい心のふるさとみたいなもんなのである。定期的に食べたくなる所以だ。








さて、困ったことに、町中華ほど店によって味の開きがあるジャンルはない。旨い店とマズイ店の開きが大きすぎる。しかも、油断はならない。例えば、おっ、ここの麻婆ナス、なかなか旨いじゃんと思って翌週も行くと、げげっ、なんで? と思ったら先週と料理人が違う。鍋を振る人によって、ホントに5点から95点まで出来映えが変わるんだよな。

 

 

そういう不幸が訪れることはあるが、今回は何度も行って、まず間違いがないであろう店、しかもメディアであまり見かけたことがないところをメインにしてお届けする。

 

 

 

何を食べても間違いのない安定感!
神保町「餃子の店 三幸園」






ニラそば ニラそば

ハイライトは「ニラそば」!





昼から深夜2時半までやっている天晴れな店である(昔は朝4時くらいまでやっていた)。もう25~20年ほど前のことになるが、徹夜仕事の合間とかに、タクシーを飛ばして何度行ったかわからぬ。
昼のランチも行列するが、夜は予約なしでは並ぶこと必至である。6時15分を回ったら覚悟しなければならない。とにかく仕事帰りの男女でつねに満席状態なのだ。

 

 

ここをトップで紹介したのは、今回の食事の相棒である妙齢のご婦人が、「このお店はお味といい、雰囲気といい、まことに素晴らしいですワ」と、のたまったからである。





肉野菜炒め 肉野菜炒め

肉野菜炒めは外せない一品。






品数が実に多い。まず、看板の「餃子」は間違いない。常套句ではあるが、皮はもちもち、中はジューシーってやつだ。二人以上で来て、注文しないお客はいない。「肉野菜炒め」も外したくない。ご婦人曰く、「ホッとするような安定感のある家庭的なお味ですこと。好きです♡」。特にお薦めしたいのが「ナスの辛しみそ炒め」である。パッキリ揚げられたナス、ピーマン、ニンジン、豚バラに、程よい辛みの味噌が絡んで旨い。

「肉だんご」は大きさが不揃いのところが手作り感満載で、火はよく通っているのだが中身は柔らかい。タレの甘酢が丁度よい感じ。ビールのお伴にもってこいだ。「マーボー豆腐」はいかにも日本風で辛すぎず甘すぎずといったところ。家庭的な日本のマーボー豆腐で、食べやすい。「美味しいですこと」(ご婦人)。しっとり系の「チャーハン」にかけて食べたい。






いちばん印象に残ったというか、ハイライトは「ニラそば」である。細かく刻んだニラが、表面を覆いつくしている。まず、ビジュアルがいい。濃い目の醤油スープが旨い。中に沈んでいるのはちょっと縮れた細麺なのだが、ニラと一緒にすすれば極上の味だ。途中で生卵の黄身を割れば、味がまろやかになって、これまたよろしい。小皿で一味唐辛子がついてきたが、これは入れなくても良いと思った。とにかく、この一品には感激した。

 

 

 

 

「餃子の店 三幸園」
東京都千代田区神田神保町1-13
03-3291-8186
営業時間:(月~金)11:00~翌2:30、(日・祝)11:00~22:30
定休日:土曜日

マーボー豆腐   950円
肉だんご     1650円
餃子(6個)   580円
肉野菜炒め    900円
ナス辛しみそ炒め 950円
ニラそば     880円
チャーハン    800円






あの!かおたんラーメンの町中華だ!
赤坂「中国料理 かおたん」




かおたんの炒飯 かおたんの炒飯

黒コショウが特徴のかおたんの炒飯。





近所にあるTBSと博報堂の面々のご用達店だ。芸能人の卵っぽいのとかモデルの類もいる。そのためか、まー、四六時中混んでいる。ほとんどの時間で行列が出来ているのではないか。しかし、昼から翌朝4時(!)まで営業している凄い店なので、どこかでチャンスはあるだろう。

 

 

筆者が最初に食べたのは35、6年も前のことで、大元の店である西麻布の「かおたんラーメン」だった。深夜の締めとして醤油ラーメンを食べた。焦がしネギがクセになる味でよく通ったもんだ。今のようなラーメンの群雄割拠時代と違って、あの当時としては飛び抜けて旨いラーメンだった(ここじゃない時は「恵比寿ラーメン」! 嗚呼、懐かしい)。「かおたん」の赤坂店が出来たのはだいぶ経ってからのように記憶する。こちらはラーメンがメインではなく、品数が実に豊富な町中華屋である。






予約は必須だ。夕方5時半に行ったら、何と、テーブル席はすべて完売(余りに混むので90分制)。残る8席くらいのカウンター席も満杯だった。店員さんが「1時間で食べ終えてくれるのなら大丈夫です」と予約済みのテーブル席に通してくれた。なんて親切なんだ。感激した。

 

 

実に活気に満ちた店だ。ガラス鉢の中で、アチョ~、アチョ~と、料理人がまるでカンフーでもやるように獅子奮迅の動きで料理をこなしている。オーダーしてから料理が出てくるのが早いこと早いこと。アチョ~ッ!

 

 

まず「餃子」である。しっかり焼き目があって普通に良い。続いて「炒飯」が電光石火で出てきた。油分を飛ばしたパラパラ系の炒飯だが、その特徴は黒コショウだ。かなり効いているのだが、旨い。具は叉焼と玉子のみ。どんどん掻きこみそうになる。と、タイミングよく「肉野菜炒め」である。これも黒コショウが効いているところが特徴だが、非常に味の輪郭が立っていて、汁に炒め物の半分が埋没している珍しいタイプだ。うん、野菜がシャキッとしていて、とても旨い。炒飯と合わせてバクバクいける。






かおたんの酢豚 かおたんの酢豚

懐かしい感じのする酢豚。





いちばん旨いと思ったのは「酢豚」である。カリッと揚げた豚が物凄くいい。甘酢の味付けもまさにジャスト! 最後に出てきた「五目あんかけ焼きそば」は、前回紹介した「好又香」のそれには及ばないものだった。汁けが多すぎかも。この品だけがちょっと残念ではあった(飽くまでも比較の話で、味はぜんぜん悪くない)。しかし、今までのあまたの経験上、何を食っても旨いのである。ラーメンも、麻婆豆腐もエビチリも。今回、町中華屋としては随一の実力店であることを確信した。

 

 

 

 

「中国料理 かおたん」
東京都港区赤坂6-3-15 J.赤坂 101
03-5570-2330
営業時間:11:30~翌4:00
定休日:日曜日

餃子(6個)     680円
炒飯         990円
肉野菜炒め      990円
酢豚         1,100円
五目あんかけ焼きそば 1,150円






意外な穴場の町中華
池袋「銀座 天龍 池袋東武店」





天龍のやきそば 天龍のやきそば

「やわらかい焼きそば(醤油)」はぜひオーダーしたい。






最後に特大餃子で有名な「天龍」である。銀座が本店で、創業から70年だそうだ。都内に全部で3店舗、名古屋にも支店がある。なぜ、わざわざ東武百貨店内の支店を選んだのかと言うと、筆者にはどうしても本店よりこちらの方が旨いと思えて仕方がないからだ。そういう意味で、当店のメディアへの露出は見たことがない。ここで何十回も食べたが、たまに本店で食べるといつも、アレ~? なんでぇ? と肩すかしを食らうのである。ここ東武デパートでは、料理人は末端に至るまで中国人だ。だから、日本の町中華でありながら、味は本土寄りである。

 

 

筆者がなぜここに通うかと言うと、「やわらかい焼きそば(醤油)」と「中華丼(醤油)」が食べたいからだ。両者とも群を抜いて旨い。並みの店では太刀打ちできないほどに旨い、と太鼓判を押したい!





まず、「やわらかい焼きそば(醤油)」だが、具は細切りの豚肉、モヤシ、玉ねぎ、ピーマン、キクラゲ、タケノコである。豚肉は片栗粉をまとっていて丁寧だ。この炒め物が実に上手なのだ。汁気はたっぷりで、麺はやや黄色い玉子麺である(本土では、伊府麺と呼ぶが、広州や香港あたりの広東料理でよく使われる。筆者が食べ親しんだ香港を思い出させる。ちなみに、いわゆる香港焼きそばは、汁気はなくカラリとしている)。

 

 

最初はしばらくの間そのまま食べて欲しい。この味が本土っぽくていいのだ。日本の他の町中華で出会うことはほぼ無いだろう。頃合いを見て和カラシで味変をすれば、旨味の奥行きが広がる。さらに酢をたらしてみてもいい。一人前はかなり量が多いが、いつもワシワシと平らげてしまう。






天龍の中華丼 天龍の中華丼

天龍の中華丼





次に、「中華丼(醤油)」であるが、具が実に多い。エビ、イカ、ニンジン、タケノコ、ブロッコリー、ネギ、キクラゲ、白菜、レンコン、シメジと十種類もあるのはかなり珍しい。海鮮ものには片栗粉を用いて油に通し、野菜も油通しをした上で、合体させて丁寧に炒めてある。しかも、他店によくあるように白菜を増やして他の具材を減らすということがないところがケチくさくない(笑)。そして醤油味のとろみがバカ旨いのである。

 

 

とは言え、一直線で丼と麺に向かうのではなく、他の料理も味わってほしい。だいたいどれも旨いのだけれども、最初は「豆もやし」や「むし鶏(ねぎ生姜)」で始めて、「青菜炒め」を塩味かオイスターソースで作ってもらう。続けて、「懐かしいスブタ」なんかを頼む。酸味がかなり立ったスブタである。パイナップルが入っているところを見ると、中国語の料理名は「甜酸豬肉」になるはずで、やはり料理人は広州か香港か、いずれにしても広東料理の出身者なのだろう。





看板の餃子はどちらでもいい。なにしろ一個がデカすぎて、相当に腹に溜まるからだ。筆者はこの普通の餃子の3倍くらいの大きさの利点がどこにあるのかがよくわからない。せめて半分くらいの大きさでいいのではないかといつも思う。大体、食いにくいのである。ついでに言うと、「昔の麻婆豆腐」は本土寄りの味付けだが、辛み一辺倒でもう少し甘みや奥行きが欲しくなる。もちろん敢えて言っているわけで、皆さん喜んで食べている。

 

 

周囲を見ると、温かい麺を頼んでいる人がけっこういるのだが、私はほとんど食べたことがない(「ニラそば」は残念な味だった)。ぜひとも、「やわらかい焼きそば(醤油)」か「中華丼(醤油)」で締めてもらいたいものだ。普通よりも酸味が強い「天津丼」もありかもね。

 

 

 

銀座 天龍 池袋東武店
東京都豊島区西池袋1-1-25 池袋東武ダイニングシティスパイス12F
03-5956-3077
営業時間:11:00~22:00
定休日:なし

豆もやし       490円
むし鶏(ねぎ生姜)  590円
青菜炒め       1,290円
懐かしいスブタ    1,390円
やわらかい焼きそば(醤油)1,090円
中華丼(醤油)      1,090円








※各店の営業日/時間、値段は変わることがあるので要確認されたし。
















「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。

 



筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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