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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2024.1.12

美味しいハンバーグが食べたい!東京・ハンバーグの名店 厳選4店 




【この記事を要約すると】

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシーが、東京で美味しいハンバーグが食べられる名店を厳選して紹介。以下の4店を取り上げています。

 

  • 旬香亭: 揚げ物名人の古賀達彦シェフが作る、ケチャップとバターの香りがする柔らかいハンバーグ。デミグラスソースに赤ワインの味がする。
  • リトル リマ: 骨董通りにあるビルの地下で20年以上営業する店。神戸牛のスジ肉と香味野菜を10日間以上煮込んだデミグラスソースが自慢。
  • UCHOTEN: 池袋の「ハンバーグ四天王」の頂点に君臨する店。肉汁がジュワッと溢れるハンバーグは、グラム数を選べる。
  • たいめいけん: ハンバーグの元祖とも言われる老舗洋食店。卵黄を乗せたハンバーグは、ふわふわの食感と濃厚な味が特徴。

美味しいハンバーグが食べたい!東京・ハンバーグの名店 厳選4店

 

 

ハンバーグで4店を選ぶのがこの度の課題である。オムライスの巻ですでに紹介した根岸の「レストラン香味屋」、浅草「グリルグランド」、神保町の「ランチョン」も、ハンバーグはまことに素晴らしい。一品が超絶旨けりゃ、ほかの品も旨いのである。特に「香味屋」は先に挙げたハンバーグ・ナンバー1の「たいめいけん」に勝るとも劣らない。しかし、なるべく違った店を紹介したいので、この3軒は除くことにした。

 

 

 

オムライスの記事は以下よりご覧ください。

➡ オムライスを食べるならここ!バッシー厳選洋食屋さん3選

➡東京の洋食屋の頂点「レストラン香味屋」で 至高のオムライスを食べるの巻








揚げ物名人の「旬香亭」は、ハンバーグも一流だ

 

 

しかして、3選の筆頭は「旬香亭」となる。名店である。かねてより揚げ物名人と言われてきたのが、古賀達彦シェフだ。JR目白駅の目の前の新しいビルに店舗を移したお陰で、かなり利用しやすくなった。筆者は開店と同時に入ったが、まー、お客が来るわ来るわ。すぐに満席になるような盛況ぶりだ。若者や外国人もいるが、特におじさん、おばさんの割合が多いように感じた。歳を取っても、旨い揚げ物が食いてえんだな、世間ってえのは。

 

 

今回はランチ利用だったので、単品のハンバーグがなかった。頼んだのは、「フライ&ハンバーグ 海老・コロッケ」というものだ。季節のスープかみそ汁、それとライスもしくはパンがつく。最初に運ばれたのが、「スーパー特選 太陽ソース」と自家製のドレッシング、そして冷えた水のボトルだ。このウスターソースからして、店主のこだわりが見えてくる。

 

 

最初に出てきたのはマッシュルームのスープ。まー、これは極めてフツウの味だ。特にコメントはない。問題はメインの料理である。以前の店舗に行ってから久しぶりに「旬香亭」を訪ねたが、相変わらず抜群に油がキレていた。揚げ物名人は健在だった。挽肉の入ったジャガイモのコロッケ、エビフライ、ともに絶品だ。サクッと揚げられて、ひっくり返しても油なんかまるでにじんでいない。







旬香亭のハンバーグ 旬香亭のハンバーグ












もちろん、ハンバーグが旨いことは言うまでもない。注文を受けてから、パンパン音を出してハンバーグを成形していた。こんがり焼き色がつくまで焼いて、洋食屋の命であるデミグラスソースはたんまりかけられている。てらてらと光る様が美しい。こってりと味が深い。そして、合い挽き肉が柔らかい。やはり、「ハンバーグ=柔らかい」ことはとても重要なのである。

 

丁寧に千切りされたキャベツもシャキシャキしていて旨い。お客の一人一人に対して、フランスの「ラギオール」製のナイフが供されることにも驚いた。これは高級なナイフで切れ味も抜群なのだ。

 

とにかく名人の店だから、何を食べても間違いはなかろう。メンチカツ、牡蠣フライ、とんかつ、ビーフカツレツ、ステーキ、カレー……近所にあったら、全種類制覇したいくらいだ。















旬香亭 旬香亭

旬香亭
東京都豊島区目白2-39-1トラッド目白2F
03-5927-1606
11:00150017:0022:00
年中無休

フライ&ハンバーグ  1600
牡蠣フライ      1900
ビーフシチュー    2500

値段は変更することがあるので、要確認












長年やってるエライ店「リトル リマ」
クラシックな味はいつでもええな

 

今回いろいろ食べて思ったのだが、なんせ、あの「資生堂パーラー」やホテルニューオータニ東京の「SATSUKI」だって、パサパサで肉の味も奇妙だし、はっきり言ってマズかった。牛と豚の種類、配分、挽き方、つなぎの有無、捏ね方、スパイス、焼き方、デミグラスソースの味……ハンバーグを上手く作るのは難しいってことなんだな。

 

「リトル リマ」は、青山の骨董通りにあるビルの地下で、ひっそりと営業を続けて20年余。知る人はよく知る店である。

 

地上の立て看板に、「神戸牛ハンバーグ 神戸牛のスジ肉と香味野菜を10日間以上煮込み、20年継ぎ足してきたデミグラスソース」と書いてある。自信があるんだね、きっと。ランチのハンバーグは、150200300グラムで選べる。嬉しいシステムだ。

 

年配と中堅の男性2人で回している。店内はいい具合に年季が入っているが、作り手もそれに応じて年季が入っている感じである(笑)。設(しつら)えは鉄板焼き屋だ。しかし、よく磨かれたその鉄板がランチ時に使われることはない。











リトル リマのハンバーグ リトル リマのハンバーグ










時間をズラして午後2時くらいに入ったら、先客は若いお姉さんが二人だけだった。グラム数を選ぶと、年配の方のシェフがすかさずハンバーグをパンパンと形成する。そしてフライパンで一枚を焼くのである。集中力が見て取れる丁寧な仕事ぶりだ。混雑時には二枚一緒に焼くのかもね。

 

まず、ワカメたっぷりの味噌汁が出される。煮干しの味が濃くてなかなかいい。そして平皿にライスが出てくる(この辺がレトロな感じ)と、ハンバーグが焼き上がってくる段取りである。

 

割り箸で食べるのだが、ハンバーグはとても柔らかい。柔らかいのだけれども、粗挽きだから肉の感触は残してあり、いま、肉を食ってるぞーって感覚が強い。肉汁はジュワ―とかではなく、程よい具合だ。そしてご自慢のデミグラスソースが旨い。香味野菜とスパイスがすごく効いていて深みがある。今回、食べた軒数は相当あるが、その中で最も赤ワインを感じた。白米も粒立ちが良く旨い。これ、大事なポイント! ハンバーグと一緒にワシワシと食ってしまう。付け合わせのニンジンのグラッセ、ポテトサラダ、キュウリのピクルスも丁寧に作ってあり、いい脇役ぶりだ。

 

ピークの時間帯をはずしたためだろう、近所で働くいかにもアパレル関係者って風情の常連客が一人で次々とやってくる。オシャレなおっさんかじいさんばかりだ。店側も顔を見ればすぐわかる。客も口々に、「150グラム」「300グラム」「200グラム」とだけ伝えるのだ。

 

筆者が頼んだのは200グラムで、あっという間に食べ終わってしまい、あーあ、300グラムにしておきゃ良かったと後悔した。それにしてももう一つのランチメニュー、「特選和牛ロース生姜焼き¥5800」って、どんな感じなんだろな。一度は食ってみたいもんだ。









リトル リマ リトル リマ

リトル リマ
東京都港区南青山5-12-2 倉沢ビルB1F
03-3400-9760
月~金11:3015:0018:0021:30、土祝12:0015:0018:0021:30
定休日:日曜日

神戸牛ハンバーグ
150g 2000
200g 2200
300g 2800

値段は変更することがあるので、要確認








東池袋「UCHOTEN」は
行列必死のハンバーグの聖地

 

池袋には「ハンバーグ四天王」なるものがあり、その頂点に君臨するのがその名の通り、「UCHOTEN」なのだ。と言うか、その名は全国的に有名と言えるかもしれない。テレビ東京の「出没!アド街ック天国」の池袋篇でも紹介されていた。

 

豊島区役所のすぐ隣だ。ゆえに、1130開店の一番乗りをしようとしても、区役所から出てきた職員がけっこう並ぶ(おいおい、正午まで仕事しとけよ)。私が行った日は、11番目で一人違いで一番乗りを逃してしまった。

 

店に入ると、眼光鋭い二人の兄ちゃん、いや、おじさんが調理場に立っている。一瞬、コワッと思ったが、意外に愛想よく大声で「いらっしゃいませ!」を連呼する。フロアのサーブもおじさんだ。かなりテキパキしていて無駄がない。

 

この店は、カウンターを除けば、原則的に1テーブルに1組の客を入れる。ゆえに、4人テーブルを占拠するのは、ほとんどが1人の客だ。相席はしない。ぎゅうぎゅうに詰めればいいのにと思うが、ま、料理を作るスピードもあるから、それでも同じことか。

 

最初にオプションの「海鮮クリームコロッケ」が出てきた。やや揚げすぎで茶色いが、中身はまあ味は良い。隣に運ばれてきた「メンチカツ」も茶色かったので、揚げ物に関しては基本的にちと油が高温すぎるのだろう。

 

ほどなくしてハンバーグ到着。立派な姿である。最初に箸でど真ん中を割ってみた。肉はミッチリではなく、固めずに形成した感じだ。黒毛和牛と豚を3:1の割合で混ぜてあるそうだ。肉汁はそれほど溢れない。だが、食べてみると肉汁たっぷりである。豚の匂いはほぼないに等しく非常に肉々しい。驚愕すべきはその柔らかさだろう。いろいろ食べた中では、いちばん柔らかい。









UCHOTENのハンバーグ UCHOTENのハンバーグ







ハンバーグはデミグラスソースをかけてあるが、徐々にあふれ出る肉汁とあいまって、ソースの存在感は消える。しかし、ソースがなくても気にならずかなり旨い。驚いたのは、ハンバーグの最後の一片まで肉汁をたっぷりと含んでいたことだ。やはり、その柔らかさが最大の特徴で、最後まで旨く感じさせるのだろう。

 

添えられた千切りキャベツの細さにたまげた。糸のように細いのだ。絹糸とまでは言わぬが、木綿糸ぐらいの細さである。これはいかに真面目に料理に取り組んでいるかの証左でもあろう。そして、白米の旨さも特筆すべきである。粒立ちが良く、かなり旨い。一点、残念なことがあるとすれば、みそ汁がさして旨くないことぐらいか。具は大根、ニンジン、豆腐、厚揚げなどで、かなり濃いのだが、ダシがあまり感じられない。

 

とは言え、オプションを別にすれば1200円の値段でこのレベルのハンバーグというのはなかなか偉大なことだ。満足度は相当に高く、近所にあったら週に一度は確実にリピートして、〝有頂天〟な気分になりたくなる、そんな店だった。

 

UCHOTEN
東京都豊島区南池袋2-36-10 SoHo103
03-3982-0077
11:3014:3018:0020:45(ランチ・ディナーともに売れきれ次第、閉店)
定休日:日曜日

黒毛和牛ハンバーグ(ご飯、みそ汁付き) 1200
海鮮クリームコロッケ 290
メンチカツ      390

値段は変更することがあるので、要確認









「グリル満天星 麻布本店」は
ドゥミグラスソースが天下一品

 

「グリル満天星」、ここも超有名店であり、支店も多い。なにしろその発祥は、天皇の料理番として知られる秋山徳蔵に薫陶を仰いだシェフが開いたビストロである。

 

さて、ハンバーグの堂々たる雄姿をご覧いただきたい。まず、カンペキな美しさでしょ。この焼き色、そして、たっぷりかかったドゥミグラスソース! 肉は合いびきを使用している。和牛と宮崎県産南の島豚のミックスだ。中身はみっちりなのに、とても柔らかい。肉汁はもちろん豊富だ。








グリル満天星 麻布本店のハンバーグ グリル満天星 麻布本店のハンバーグ








この店が命をかけているのはドゥミグラスソースである(表記もデミグラスではなくドゥミグラス、フランス語の発音にこだわった)。大体、トップクラスの洋食屋はどこもこのソース作りにこだわる。当店はバターを使わずに、エスパニョールソース(ブラウンソース)をベースにして、仔牛の骨、牛スジ、香味野菜で一週間煮込むのだという。ゆえに、サラリとしているのだが、味の奥行きはとても深い。これがハンバーグの旨味を一段階上へと引き上げてくれる。

ワンプレートミックスというメニューもある。ハンバーグ、海老フライ、蟹クリームコロッケ、メンチカツ、ビーフシチュー、チキンカレー、ドライカレーなどから2種を盛り合わせに出来るので、有難さは2倍だ。

 

グリル満天星 麻布本店
東京都港区麻布十番1-3-1 アポリアビルB1
03-3582-4324
(火~金)11:3015:3017:3022:00
(土日祝)11:3016:0017:0022:00

ハンバーグステーキ ドゥミグラス 1980
ワンプレートミックス 2200

値段は変更することがあるので、要確認







「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。

 

 




筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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