夏だ!うなぎだ!東京で食すわが心のベストうなぎ店3選夏だ!うなぎだ!東京で食すわが心のベストうなぎ店3選

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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2023.7.14

夏だ!うなぎだ!東京で食すわが心のベストうなぎ店3選













前回、紹介した南千住「尾花」は、筆者にとってのうなぎベストワンではあるが、まだ紹介したいうなぎ店がある。ここにわが心のベストうなぎ店in東京 3選を挙げたい。この時期、どこも激混み、予約も難しかろうが、参考になればなによりである。うなぎは東京(関東)風もよろしいが、名古屋(関西)風であるところのひつまぶしもいいものだ。

 

夏だ。夏にはうなぎと古来から決まっている。昭和天皇も、歌人の斎藤茂吉もうなぎを愛したと言うし、われわれもうなぎを食そうではないか。

 

 

南千住「尾花」の旨さに関しては以下をぜひ読まれたし。

➡南千住「尾花」の旨すぎるうなぎに悶絶するの巻へ

 

 
















「ひつまぶし」を有楽町で食らう 名古屋の名店「炭焼 うな富士」

名古屋の名店「炭焼 うな富士」のひつまぶし 名古屋の名店「炭焼 うな富士」のひつまぶし





前回「尾花」の衝撃についてはくどいほど述べた(苦笑)。今回はそれとおなじくらいの衝撃を受けた「炭焼 うな富士」である。

そもそも筆者が初めて名古屋でうなぎを食べたのは30年以上も前のことになる。同市出身の同僚に教えてもらい、出かけるたびに、「いば昇」という店に何度も通った。その頃は若かったので、一人でうな丼とひつまぶしの両方を食べるという無謀をやっていた(爆)。関東とはまるで違い、うなぎは蒸さないで高温で焼く。素晴らしく旨いと思った。やはり、蒸したものよりも香ばしく、皮のカリッとした食感が秀逸なのだ。







これは友人の名古屋人が言うのだが、「名古屋人ってのはドケチだから、外食で絶対にソンはしたくない」のだそうだ(名古屋の方々、ごめんなさい)。喫茶店で出すモーニングセットのあの様子を見れば、なるほどそうかと思わぬでもない。だから、うなぎのひつまぶしも、最初はそのまま食べ、二度目は薬味を載せて食べ、最後は薬味と出汁をかけて食べる。それは、一粒で三度楽しむ気概の現れなのかもしれぬ。ドケチ……、たいへん結構なことではないか。

 

 

「いば昇」で何度か食べるうちに、「『あつた蓬莱軒』はもっと旨いぞ」と薦めるヤツがいて、そちらにも行ってみた。あのレベルになると、差があったとしても僅差である。ちなみに、名古屋の「うな富士」には行ったことがない。

 

 

さて、「炭焼 うな富士 有楽町店」である。

おそらくは名古屋と同等の感動を東京の有楽町で味わえるのだから、いい時代になったもんだ。何しろ驚いたのは、かなりの大箱なのに満席状態がずっと続くことだ。客が帰れば、新たに客が現れ、途切れることがない。しかも、「小うなぎ丼」が3650円、普通の「うなぎ丼」が5100円もするのだ。それを若い人たちが嬉々として食べている。日本って、豊かなんだねと思った。

 

ちなみに、営業は午前11時から夜の10時まで通しでやっている。ピーク時間をはずせば待たずに入れるのも有り難い。







焼きもタレも素晴らしく
はっきり言ってとんでもなく旨い

 

うなぎを待つ間、「うざく」と「う巻き」を食べた。「うざく」は普通に旨かったが、問題は「う巻き」である。この店では、「う巻き」が出汁に浸して出てくるのだが、私はこの出汁が卵焼きの味をボヤっとさせているように感じた。

 

さて肝心のうなぎである。この店は独自のルートで仕入れた、特大青うなぎだけを使用しているという。普通のうなぎよりも3割以上大きいのだそうだ。それを1000度を超える炭火の「地焼き」でもって、うなぎの旨みと脂肪分を一気に閉じ込める(とホームページに書いてある)。

 

実食すればその通り。外側は程よくこんがりで、中はとても柔らかい。しかもタレが素晴らしいのである。はっきり言って、とんでもなく旨い。思わず歓声を上げてしまうほどに。これを作法に則って、最初はそのままで、次にワサビと小葱とともに、最後にワサビと小葱と出汁で食べた。3種の食べ方は甲乙丙をつけ難い。うなぎの合間に食べる、黒々とした肝焼きがまたいい。そうだなあ、フォワグラにも似たねっとりした濃厚さがある。







「肝入り 特上ひつまぶし」は
味も、量もすごいぞ!

 

注意事項を一つ。筆者は「肝入り 特上ひつまぶし」を頼んだ。注文した時に、お姉さんから「量が多いですけど、大丈夫ですか?」と尋ねられたのだね。おそらく、「肝入り 上ひつまぶし」で丁度よかったのだろう。特上はうなぎが二枚重ねで、しかも濃厚すぎる肝つきだ。完食するには相当な大食漢でないとムリかもしれない。……って、筆者は平らげちまったが(笑)。

 

でも、間違いなく腹がはちきれる。相方の女性は三分の一ぐらいを持ち帰りにしていた。

 

毎日大量のうなぎをさばき、一匹一匹を同じレベルに仕上げる「うな富士」の実力はアッパレだと思う。月に一度は通いたくなる、そんな店だ。

 







炭焼 うな富士 有楽町店

東京都千代田区内幸町一丁目7番1号
03-6457-9688

営業時間:11:00~22:00
定休日:不定休

 

小うなぎ丼       3650円(税込)
うなぎ丼        5100円(税込)
上うな重        5650円(税込)
肝入り 上ひつまぶし  7210円)(税込)
肝入り 特上ひつまぶし 9710円)(税込)

※営業日/時間、値段は変わることがあるので要確認。








一つのお重で白焼きと蒲焼きのダブル! 「うなぎ わたべ」でうなぎ好きの夢を叶える

わたべのえんま重 わたべのえんま重

一粒で三度おいしい方式を、蒸したうなぎで楽しめる店が文京区の小石川にある。

 

 

ここは予約なしではとても入れない。夏も近づけば、4、5日から一週間先まで、昼も夜も予約で満席なのだ。そんなに繁盛しているのに、従業員の誰もがとても親切だ。予約の電話からして気持ちがいい。うなぎの老舗の中には、どこかフンと勘違いを起こしている店もあるのだが、「わたべ」では誰もが甲斐甲斐しく動きながらもサービスにこれ努めてくれる。







全うなぎ愛好者の夢「白焼き+蒲焼き」ダブル重の前に
マイルスをBGMに骨せんべいをポリッ

 

うなぎは注文を受けてからタレで焼きを入れるので、出てくるまでに30分以上はかかる。それで、「骨せんべい」をポリポリやったり、「うざく」を食べたりして時間を潰す。「うまき」は巨大なので、一人ではムリと言われ諦めた。悲しい。BGMはマイルスにマーヴィン・ゲイと好きな曲ばかりがかかる。趣味いいじゃん!

 

 

うなぎ屋に行ったら、白焼きも蒲焼きもどっちも食べたいのが心情ってもんだ。だから、筆者が頼んだのは、お重に白焼きと蒲焼きがダブルで並んだ、夢のようなお重である。それを「えんま重」と言うが、すぐそばの「こんにゃく閻魔」にちなんだ命名だ。写真をご覧いただきたい。こんな贅沢なお重ならば、目の前に出てきただけで、ワーオと快哉を叫ぶぜ(実際に叫んだ、小声で)。







小皿に並んだ薬味は、刻み海苔、揚げ玉、小葱、ワサビ、半生の粒山椒、岩塩と凝っている。粉山椒も通常と味が濃いものの2種がある。それは、うなぎを存分に楽しんで行ってほしいという店の気持ちの表われだろう。

 

 

白焼きも蒲焼きも極上の出来栄えだ。身はあくまでもフワッと柔らかく、口に入れたらとろけそうになる。その白焼きと蒲焼きの両方を、薬味をちょっとつけて食べたり、粉山椒をかけたご飯と一緒に食べたり、時折、丼によそって薬味と出汁でサラサラっとかきこむ。こいつが口をサッパリさせてくれて、実にいいのだ。うなぎが二種だから一粒で六度おいしい方式になるから、右に行ったり左に行ったりでけっこう忙しいのだが、かなり楽しい。

 

 

隣のテーブルを見ると、うな重の前に「鰻肝ソテー卵黄添え」を食べているし、反対隣は昼からコースで食べていた。様々な単品にも自信があるようなので、今度はそちらにもチャレンジしてみたいものだ。ちなみに、白焼きも蒲焼きも蒸さない「地焼き」でリクエストできる。






うなぎ わたべ

東京都文京区小石川1-9-14
03-3812-7448

営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00
定休日:水・木曜日

 

うざく    1650円(税込)
うまき    2750円(税込)
うな重 特上 5500円(税込)
うな重 上  4400円(税込)
えんま重   8250円(税込)








最高の素材と最高峰の腕の出会い 箸をつけるのも惜しくなる「鰻はし本」

はし本のうな重 はし本のうな重





トンカツにしてもうなぎにしても、いかに良い素材に辿り着けるかが勝負である。

 

この店で供されるのは、鹿児島県泰斗商店の「横山さんの鰻」、岡山県西粟倉村の「森のうなぎ」、静岡県石川水産の「石川さんのうなぎ」、そして琵琶湖の天然うなぎだそうだ。

 

 

それを良心的な値段で出してくれるところに、主人の心意気を感じずにはおられない。うなぎの値が高騰する昨今、昼の「サービスランチうな丼」はサラダとお吸い物がついて2200円である。客が列を成すのもうなづける。






前回の本稿でも述べたが、うなぎ料理は、開き(割り)、串打ち、蒸し、焼きと、技術力の結晶なのである。「鰻はし本」は東京の最高峰の一角を成す。最高の素材を最高の腕が調理するのだ。脂の多寡によって焼き加減を変えるという。こうしてできた焼き色が見事に美しい蒲焼きは、箸をつけるのが惜しくなるほどだ。

 

ご飯がまた素晴らしい。研究を重ねたすえにたどり着いたのは、石川県産コシヒカリだそうだ。日常的にこの店を頻繁に訪ねられる八重洲界隈のサラリーマンが羨ましい限り。週に一度は通いたし!









鰻はし本

東京都中央区八重洲1-5-10
(2023年7月現在、東京都中央区日本橋3-3-3 いづみやビル3Fで仮営業)
03-3271-8888

営業時間:(月~金)11:00~14:30、17:00~21:00/(土)11:30~15:00(第2と第4のみ営業)
定休日:第2と第4を除く土曜日・日曜・祝・土用丑の日・年末年始・お盆

 

うな重 い3850円、ろ4950円、は6600円(すべて税込)
(昼のみ)サービスランチうな丼2200円(税込)






「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは

うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。






筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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