【この記事を要約すると】
食べ歩き歴40年超の編集者バッシーが、東京でナンバー1のナポリタンを提供する浅草のロッジ赤石を紹介。バッシーは、ケチャップとバターの香り、具材の切り方と炒め具合、麺の太さと腰など、ナポリタンのすべてに感動し、他のメニューも絶賛します。ロッジ赤石は、地元住民に愛される古き良き喫茶店で、80種類以上のメニューがあります。
浅草「ロッジ赤石」の ナポリタンに完全ノックアウト!の巻
スパゲッティ・ナポリタンは日本人が考案したスパゲッティである。進駐軍のケチャップ・スパゲッティから想を得て、横浜のニューグランドホテルの総料理長が生み出したことになっている。イタリア人がその存在を聞いたら、怒りのあまり卒倒しそうになるって代物だ。まー、彼らに言わせれば、論外な食べ物かもしれん。しかし、日本人は大好きなんだから、知ったこっちゃない。実際、旨いしよ。 今回は、浅草「ロッジ赤石」の ナポリタンを紹介する。旨めェぞぉ。
食仲間から、「旨えぞ、旨えぞ」とは聞いてはいたが、これほどとは思わなかった。完全ノックアウトだ。
「ロッジ赤石」、浅草が誇るべき古き良き喫茶店である。創業は昭和48年で、長野県出身の先代が信州・赤石岳にちなんでつけた店名なんだとか。浅草が花街だったってことから、かつては朝9時から翌朝4時(朝6時の時も)まで営業していたこともあるという。 午後に訪ねた。地元住民に愛されていて、この店の料理を食べにひっきりなしに客が訪れる。もちろん、その名声を聞きつけて、よそモンも多数まぎれこむ(筆者のように)。
料理人はお父っつぁんと息子(みたいな2人)で、フロアをきびきび動くサービス精神にあふれた妙齢の女性3人が受け持つ(時間帯で変わるのかも?)。なにしろ、多忙を極めるから、客をさばくのが大変だ。
日替わりランチ、例えばこの日は、「A親子丼¥900、Bピラフ¥850、Cカレーライス¥850、Dナポリタン¥850」って感じの良心価格。どれにもソソられるが、客の半数は「Dナポリタン」の印象だ。
一口食べてびっくり!こんなに旨いナポリタンってあるんだね!
さて、実食。もー、見るからにカンペキでしょ。これはマズイはずがない。ケチャップとほのかなバターの薫香が鼻腔をくすぐる。玉ねぎもピーマンもマッシュルームもロースハムも、切り方が良ければ炒め具合もいい。麺にからめたケチャップも充分に炒めてある。ここがポイントだ。ケチャップの酸味は飛んで、甘味がまさり、麺にねっとりんちょと絡みつく。しかし、くどくない。麺は太くモチモチだが、意外に腰もある。
ひと巻きを口に放り込んだだけで、えー、こんなに旨いナポリタン、今までの人生であったかなー? そのくらい衝撃的に旨い。マジで。途中で粉チーズを投入してもいいが、ちょっとくどくなる。元のままがいちばん旨いかもね。タバスコはかけない方が良い。
いやー、いい店だなあ。きぜわしく働くお姉さんたちが実にすがすがしい。聞くところによると、カレーライスもカツ重も親子丼もエビ(カツ)サンドも明太子スパゲッティーも、なんでも旨いらしい。きっとそうだろうよ、ナポリタンがあのレベルだもん。
客が2人でやってきて、「昨日はカレーライスだったから、今日は親子丼」とか言ってるよ。くぅー、うらやましい! なにしろ、メニューは飲み物やデザートも含めて80種類以上もある。毎日、ここでメシ食いたいわ。1日に2食でもいいよ。
チョコレートサンデーだけを頼む粋筋(?)のおっちゃんがいたりして、いい雰囲気だ。ドリップさせたコーヒーも濃厚で旨いし、ミルクも本物を使っている。いや、とにかく頻繁に通いたい店だよ、ここは。
(その後、どうしてもガマンできなくなり翌々日に再訪。明太子スパゲッティーとポーク生姜焼きとカレーライスを一気食いしたぜ(食いすぎや)。うーむ、どれも旨くて感動した。カレーライスは家庭料理の最上級って感じやな。遅めの夜だったから、店のお姉さんが、筆者を「お兄さん、お兄さん」と呼んでくれた。下町っぽいね。こちとら、もうジジイなのに、ちょいといい気分♡)。
ロッジ赤石
東京都台東区浅草3-8-4
℡03-3875-1688
営業時間:9:00~24:00
定休日:月曜日
ナポリタンスパゲッティー 950円
明太子スパゲッティー 1200円
カツ重 1200円
カレーライス 900円
ポーク生姜焼き 1150円
※値段は変更することがあるので、要確認
「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。
筆者プロフィール
食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。
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