確実に権力に近づく道長、焦って外す伊周
やっぱり男は余裕がないとね
今週のお当番のN子です。今回は動きだしましたね!道長のクレバーさ、心の余裕が光りました。
一条天皇は道長を右大臣に任命。内大臣の伊周を超えます。一条帝は関白に上りたいと考えているか?と道長に問うと、答えはノー。政治議題を討論する場にいてまつりごとがしたいときっぱり。道長が権力欲を見せないことに、一条帝は感服した様子。定子さまは一条帝の表情を見て焦っていました。
それと呼応するように伊周の焦りもマックスでしたね。参内しないで、弟の隆家とともに家でプラプラ。腐っててもダメなのに、余計こじらせるだけなのに……。しかし伊周を演じる三浦翔平さん。普段は甘い雰囲気のイケメンですけど、こういうダメな男をさせるとまた違いますね。なまじイケメンなだけに余計にダメ男感が出てしまいます。
お!「御堂関白記」を書き出したぞ
倫子さん、さっそくチラ見
右大臣に上り詰めた道長に、お取巻きたちがいろいろと知恵を出します。能書家(字が巧い人のことです)として、三蹟のひとりに数えられる行成が、各家の女性たちと文をやり取りしていることから、各公卿たちの動向を探るという、アイディアが出ます。道長も乗り気で始まるのですが、上がってきたレポートは機密事項のため、すぐ燃やしてと行成に言われますが、道長は覚えられません。そこで日記に記しておいたら?ということになり、「御堂関白記」成立のエピソードとなっていました。これ、とても面白い流れでした。
しかし、道長の取巻きたちは、みんな日記を書いています。行成の「権記」、実資(ロバート秋山さんが演じている)は「小右記」と、どれも今でも読み継がれているものばかりです。
しかし倫子さま。文机に広げられた道長の日記をすかさずチラ見、いえ、ガン見していました。漢文が読めないって設定だったはずだけど、本当は読めてたりして?こののち、道長の日記をコソ見から、道長とまひろの秘密もバレてしまう、なんてエピソードもあるかもです。
お友達を宮中に呼ぶなんてあるの?
まひろ、定子さまにお目見え
ききょうさんこと清少納言のとりなしで、まひろさんが定子さま、一条帝にお目見えするというシーンがありました。まひろさんたらビッグマウスで、新楽府(しんがふ)を読んで、宋の国のように身分関係なくまつりごとに参加できる世に……なんて、一条帝に進言しちゃって驚きます。すごいなあ。しかし、まひろさんの良き世の中にしたいという想い。まっすぐすぎやしませんか?
驚いたのはそればかりではありません。定子さまのもとに突然現れた一条帝。手に手を取っておふたりで奥へと入っていきました。お昼間ですが?どちらへ?このエピソード、「枕草子」にも描かれているらしいのです!
読んでみなくては!
ここでまひろさんが、一条帝にお目見えし、生意気にも身分の高低に関係なく、能力主義でまつりごとを行う国になったら、なんてことを申し上げたことに発し、まひろさんのお父さんの為時が、除目を前に従五位に昇進し、正式に殿上人へという布石になります。来週はさらにまひろさんのおせっかいというか、出過ぎた行動により、為時が淡路守から、越前守に変更されるエピソードが出てくるみたいです。
史実だと、淡路守に任命されたのち「苦学寒夜、紅涙霑襟、除目後朝、蒼天在眼(こんなに苦労して勉強してきたのにこの仕打ちかよ……)」(N子超訳)という文を一条帝に送り、涙を誘ったらしいです。で、より大国の越前守に急遽変更に。しかし元々越前守に任じられていた源国盛さんは急に解任されてびっくり。あまりの衝撃に病気になってしまい、次の除目では播磨守に任じられたにもかかわらず、病死してしまったとか。気の毒すぎます。
しかし、父の為時が10年もの間、散位(位階はあるが役職はない状態。無職)だったから、お婿さんをもらうこともできなかったまひろさん。だからこそ、道長への思いをキープできた、とも言えますね。ちょっと気の毒だけれど。どんなに苦境に立っても、妾にはならないという強い意志が描かれているのは好きです。この時代、結婚するか否かの決定権を自分が握っていたという描かれ方は新しいと思いました。
中関白家、没落のきっかけ
伊周、隆家の狼藉
しかし、今週はかなり濃密な回でした。中関白家の伊周と隆家の勘違いから、花山上皇を間違って襲ってしまうという、狼藉を図ってしまうのですから。次週の予告を見たら、怒涛の展開っぽい。伊周、隆家は流罪、一条帝に兄たちの罪を軽くしてもらうように、定子さまは泣きながらすがっていました。
このままで行くと、今月末には舞台は越前編ですね。ここまでが長かった印象です。やはり、まひろが父と越前へ赴き、ひとりで京に戻ってきて、宮仕えを始めてからが本番ですから。来週以降の展開に期待です。
「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……
Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!
Premium Japan Members へのご招待
最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。
Lounge
Premium Salon
「光る君へ」言いたい放題レヴュー
Premium Salon