奈良県初のインターナショナルブランドホテルが誕生
2020年夏、世界各地で展開を広げるマリオット・インターナショナルの中でも、最上級ブランドのひとつである「JWマリオット」が、奈良に誕生した。ワールドスタンダートなマインドフルネスと古都ならではの風情を巧みに取り入れた、16室のスイートを含む158室の客室を持つ奈良県初のインターナショナルブランドのラグジュアリーホテルとして、開業以来、国内外から注目を集める存在となっている。
雄々しい牡鹿が出迎えるラウンジバー「フライングスタッグ」。ほうじ茶とコーヒーリキュ―ルをベースとしたシグネチャーカクテル「ジェントルスタッグ」などがお薦め。
ロビーに足を踏み入れると、奥のラウンジバーの壁面に描かれた牡鹿が眼に飛び込んでくる。モチーフの原点は、やはり奈良公園の鹿だ。「JWマリオット・ホテル奈良」では、奈良のシンボルである鹿に敬意を払いつつも、サイン類での過度な使用は避け、このラウンジバー壁面に、あえて西洋風な牡鹿を配し、ラウンジバーの名前も「スタッグ=牡鹿」に由来する「フライングスタッグ」とした。このラウンジーでは、日中はアフタヌーンティを、そして夜にはオリジナルカクテルや、ヴィンテージワインを味わうことができる。
グリフィン・ジュニアスイートは50㎡を超えるゆったりとした広さ。鹿の角をモチーフとした壁面のオブジェが印象的。
エグゼクティブスイートのリビングルーム。カーペットの模様などに、さりげなく和テイストの文様が使われている。
随所にさりげなく置かれた盆栽が、モダンな雰囲気の空間と絶妙に調和する。Photography by Makoto Itoh
また、柔らかなベージュ系をメインにまとめられた部屋に、挿し色として組み込まれた温かなオレンジ色は、奈良の伝統的な行事である「若草山焼き」を象徴するカラーリングである。そこここに置かれた盆栽なども含め、インテリアやたたずまいに巧みに昇華された古都の風情や空気感を味わう、それも「JWマリオット・ホテル奈良」にステイする楽しみのひとつだ。
会席、寿司、鉄板焼き。三つのスタイルから選ぶレストラン「校倉」
メインダイニング「校倉」は、その名が示すように、東大寺境内で1300年以上の歴史を持つ正倉院とそこに収蔵されている様々な宝物をイメージした、和とモダンテイストが融合した空間となっている。この「校倉」では、会席、寿司、鉄板焼きの三つのスタイルの日本料理を選ぶことができる。また、それぞれの料理を味わう空間は巧みに仕切られ、人数によっては個室感覚で心おきなく料理を味わうことができるのも嬉しい限りだ。「校倉」には、日本各地の銘酒をはじめ、焼酎、世界各国のワインも豊富に揃う。奈良の悠久の歴史を感じながら、日本料理が持つ奥深さを存分に味わいたい。
細長い板を横張りにした「校倉」壁面の一部は、「校倉造り」からインスピレ-ションを得たもの。Photography by Makoto Itoh
オールデイダイニングの「シルクロードダイニング」は、オープンキッチンスタイル。シルクロードの最終地点として、東西の文化を受け入れ発達した古都奈良にちなみ、世界各国のさまざまな食材を駆使してシェフが腕を振るう料理は、まさに食文化の東西融合が一皿に表現されたもの。また、奈良漬けや三輪素麺など、奈良の名産がふんだんに取り揃えられた朝食ビュッフェも充実度が高い。
「校倉」の会席料理は、ランチ5,900円~ ディナー17,000円~。河豚の炙りに雲丹ソースを添え、白舞茸をあしらった。(ディナー「高麗笛」10月の献立より)Photography by Makoto Itoh
吸物には、奈良の名物である三輪素麺をしのばせて。柚子の香りが鼻孔をくすぐる。(ディナー「高麗笛」10月の献立より)Photography by Makoto Itoh
柿釜入り大和真菜の胡桃和え、むかごと野菜チップなど、奈良の食材をふんだんに用いた盛り皿。(ディナー「高麗笛」10月の献立より)Photography by Makoto Itoh
オールデイダイニング「シルクロードダイニング」。藍のタペストリーと竹を編んだ照明カバーが印象的。竹を編んだ照明カバーは、奈良在住の工芸家が、ひとつひとつ丹念に組み上げたもの。
スパでは英国の最高峰ブランド「アロマセラピーアソシエイツ」を使用
開業以来、注目を集めているのが「SPA by JW」。施術に使われるオイルや化粧品が英国の最高級ブランド「アロマセラピーアソシエイツ」のアイテムであることが、その理由のひとつである。合成着色料や鉱物油を使用せず、天然原料のみを用いて作られたスキンケア製品は、世界中のセラピストたちからの信頼も絶大なもの。そんなアイテムを用いて、熟練の施術者が行うボディとフェイシャルのトリートメントは、至福の時間そのものだ。宿泊客以外の利用も可能なので、事前予約をおすすめしたい。
「SPA by JW」には二人用の施術室も完備。壁面の金色のオブジェは銀杏の葉をモチーフとしたもの。
プールは17mほど。周囲にデイベッド数多く置かれているので、ゆったり寛ぐことができる。プール横にはジェットバスも完備されている。
アクセスは伊丹空港からのバス便が便利
「JWマリオット・ホテル奈良」は奈良市役所の真向かいに位置し、2020年に開業した「奈良県コンベンションセンター」に隣接する。同時期にオープンした「TSUTAYA」にもほど近く、古都奈良に相応しく、静かで落ち着いたビジネスエリアに建つ。奈良公園や東大寺への拠点となる近鉄奈良駅までは、ホテルから徒歩約10分の近鉄新大宮駅から一駅、タクシーでも5~6分と、奈良観光にも便利な場所だ。
東京からのアクセスは、新幹線で京都、京都から近鉄を利用するというのが一般的だが、意外にも羽田空港から伊丹へ飛び、伊丹空港から奈良交通のバスに乗車するのが便利。ホテルのすぐ横にバス停が位置しているため、伊丹空港での乗り継ぎさえスムースに運べば、新幹線利用とほぼ同じ時間で到着することができる。
1月の第4土曜日には、「若草山焼き」が行われる。「JWマリオット・ホテル奈良」にステイし、奈良に早春の訪れを告げる伝統行事を見学するのはいかが。
text by Masao Sakurai(Office Clover)
奈良県奈良市三条大路1丁目1-1
Premium Japan Members へのご招待
最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。
Stories
Premium X
日本のプレミアムなホテル
Premium X