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日本のプレミアムなホテル

2023.3.30

「ウェスティン都ホテル京都」 さらなるラグジュアリー志向へと変身した、 京都の老舗ホテル


京都人に愛されてきたホテルが創業130年を機にリニューアル

 

「蹴上のホテル」として、古くから京都の人々に愛されてきたホテルがある。2020年に創業130年を迎え、客室やレストランなどを一新し、スパを新設する大規模なリニューアルを実施。2021年に美しい姿を現した。「蹴上のホテル」と、京都の人々から親しみを込めて呼ばれる「ウェスティン都ホテル京都」は、130年の歳月と伝統を受け継ぎつつ、新たな歴史を歩み始めている。

 

 

 

 

エリザベス女王をはじめ、錚々たる賓客を迎えた伝統と格式

 

「ウェスティン都ホテル京都」の歴史は、ホテルの前身「吉水園」が1890(明治23)年に開園したことに遡る。現在と同じ三条蹴上の地に建てられた、この「吉水園」を増築し、1900年に「都ホテル」として開業。以来、京都のみならず日本を代表するホテルとして、国内外の賓客を迎えてきた。エリザベス女王、ダイアナ妃、ヘレン・ケラー、アインシュタイン……。



洋式宴会場の様子。国賓を迎えたレセプションが、数多くここで開催された。 洋式宴会場の様子。国賓を迎えたレセプションが、数多くここで開催された。

洋式宴会場の様子。国賓を迎えたレセプションが、数多くここで開催された。




「ウェスティン都ホテル京都」の大きな特徴のひとつが、昭和を代表する建築家の村野藤吾が設計した「佳水園」である。1960(昭和35)年に営業を開始したこの「佳水園」は、七代目小川治兵衛の長男である白楊が手掛けた庭園とともに、近代数寄屋建築の粋として知られている。



建築家、村野藤吾が意匠を考案した、「佳水園」の中庭。緑で象られた瓢箪と杯は、岩盤から流れ出る水を酒と見立てたもの。 建築家、村野藤吾が意匠を考案した、「佳水園」の中庭。緑で象られた瓢箪と杯は、岩盤から流れ出る水を酒と見立てたもの。

建築家、村野藤吾が意匠を考案した「白砂の中庭」。緑で象られた瓢箪と杯は、岩盤から流れ出る水を酒と見立てたもの。



リニューアルに伴い、よりラグジュアリー路線に転換

 

今回の大規模なリニューアルでは、平均客室面積が従来の約35㎡から約50㎡へと大幅に広がり、客室数は逆に約270室へとほぼ半分となった。つまり、これまで以上のラグジュアリー路線に舵を切ったのである。また、「佳水園」の客室も、村野テイストを活かしつつ、大幅に改装された。さらに、フレンチの名店「ドミニク・ブシェ」の出店や、京都の街を一望するビュッフェレストランを新設。加えて、ホテル敷地内の地下に湧出する天然温泉を活用したスパも誕生。文字通りの大規模リニューアルとなった。



スイートカテゴリーを一新。コンセプトは「The Queen of Elegance」

 

客室のリニューアルにあたり、村野藤吾の建築の特徴のひとつである「曲線」を重視すると同時に、「The Queen of Elegance(気品ある女王)」がコンセプトに掲げられた。そのコンセプトは、室内のところどころにデザインとして採用された優美な曲線に活かされている。最上級の「ラグジュアリースイート」や「ジュニアスイート平安京ビュー」など、スイートカテゴリーの客室タイプもさまざま。部屋から京都の街を一望のもとに見渡すなら「平安京ビュー」を選びたい。また、スイート宿泊客専用のクラブラウンジも新設されたのも特筆すべきポイントだ。もちろんウェスティンホテル自慢の「ヘブンリーベッド」で心地よくおだやかな眠りを期待できる。



「ジュニアスイート平安京ビュー」。窓からの景色も素晴らしい。 「ジュニアスイート平安京ビュー」。窓からの景色も素晴らしい。

「ジュニアスイート平安京ビュー」。窓からの景色も素晴らしい。



「ラグジュアリースイート ジャパニーズ」には畳の部屋も。 「ラグジュアリースイート ジャパニーズ」には畳の部屋も。

「ラグジュアリースイート ジャパニーズ」には畳の部屋も。



昭和の名建築「佳水園」から、令和の名建築「佳水園」へ

 

「佳水園」の改装も今回のリニューアルの大きな柱のひとつとなった。開業して半世紀以上の歳月が流れた昭和の名建築は、中村拓志氏(NAP建築設計事務所)により設計監修され、空間や庭の美しさをそのまま生かしながら、最新の建築技術や素材を随処に導入し、新たな数寄屋風建築として生まれ変わった。

 

2室を1室にし、寝室とリビングを分けるなどして客室面積も大幅に増え、浴室には天然温泉が引き込まれた。村野建築のスピリッツを大切にしながら生まれ変わった「佳水園」は、令和の名建築として後世に語り継がれるだろう。



村野藤吾の意匠を残しながらも、建具や壁などはすべて改築。空調を天井裏に 埋め込むなど、最新の機器も導入された。 村野藤吾の意匠を残しながらも、建具や壁などはすべて改築。空調を天井裏に 埋め込むなど、最新の機器も導入された。

村野藤吾の意匠を残しながらも、建具や壁などはすべて改築。空調を天井裏に埋め込むなど、最新の機器も導入され、居住性とデザイン性を兼ね備えた空間に。

 



客室のひとつをライブラリーに変更。いわば「佳水園」専用のラウンジ。 客室のひとつをライブラリーに変更。いわば「佳水園」専用のラウンジ。

客室のひとつをライブラリーに変更。いわば「佳水園」専用のラウンジ。



ホテル敷地内から汲み上げる天然温泉を使用するスパもオープン

 

リニューアル時に大きな話題を集めたのが、ホテルの敷地内地下に湧出する天然温泉を利用する、京都最大級のスパ「華頂」だ。近隣の名所のひとつ、琵琶湖疏水の水路閣をイメージした浴室には、半露天風呂やサウナまで設けられている。

 

疲労回復や冷え性などに効果がある天然温泉にゆったりと浸かったあとは、スパトリートメント。スパに併設する「Le Jardin Sothys」ではスパトリートメント、指圧、お灸など多彩なメニューで心身を癒やしてくれる。

 

 



水路閣のアーチをモチーフとした、男性用の半露天風呂の浴室。 水路閣のアーチをモチーフとした、男性用の半露天風呂の浴室。

水路閣のアーチをモチーフとした、男性用の半露天風呂の浴室。



「ドミニク・ブシェ」が京都初出店。鉄板焼きの監修も

 

メインダイニングには、伝統と革新を融合させたフレンチのシェフで名高いドミニク・ブシェが招聘された。「トゥール・ダルジャン」をはじめとするフランス料理の名店で料理長を経験してきたドミニク氏による伝説の味が京都初お目見えとなり、鉄板焼きも氏の監修となっている。フレンチらしい前菜にはじまる京都産のブランド牛や神戸牛などのコースは、一躍評判となっている。



フレンチの王道をわきまえつつ、斬新な手法で注目を集めるドミニク・ブシェ氏の 料理は、常に驚きに満ちている。 フレンチの王道をわきまえつつ、斬新な手法で注目を集めるドミニク・ブシェ氏の 料理は、常に驚きに満ちている。

フレンチの王道をわきまえつつ、斬新な手法で注目を集めるドミニク・ブシェ氏の料理は、常に驚きに満ちている。



曲線を活かしつつ、和と洋が絶妙な調和を醸しだす「ドミニク・ブシェ」の店内。 曲線を活かしつつ、和と洋が絶妙な調和を醸しだす「ドミニク・ブシェ」の店内。

曲線を活かしつつ、和と洋が絶妙な調和を醸しだす「ドミニク・ブシェ キョート」の店内。



オールデイダイニング「洛空」で、京都の美味をカジュアルに楽しむ

 

大きな窓から京都の景色を眺めながら食事を楽しむオールデイダイニング「洛空(らくう)」も、リニューアルに伴い誕生した。季節やイベントごとに変わるブッフェフェアを開催する「洛空」では、目の前で寿司を握り、天ぷらを揚げてくれるなどのライブキッチンも備わっているほか、「パンの街」として知られる京都ならではのベーカリカウンターやパティシエがスイーツを仕上げる様子が見られるデザートカウンターも充実。オールデイダイニングとして滞在中にぜひ一度は訪れてみたい。




寿司や天ぷらなど、作り立ての料理を味わうことができる、「洛空」のライブキッチン 寿司や天ぷらなど、作り立ての料理を味わうことができる、「洛空」のライブキッチン

寿司や天ぷらなど、作り立ての料理を味わうことができる、「洛空」のライブキッチン



1200年の歴史を持つ京都は、古くからの伝統を守る一方で、新しいことにも積極的に挑戦してきた土地である。130年という、日本のホテルの中では有数の歴史を持つ「ウェスティン都ホテル京都」も、受け継がれてきた歴史や、その歴史が醸し出す品格を大切にしながら、新たな物語を紡ぎ始めている。




text by Masao Sakurai(Office Clover)

ウェスティン都ホテル京都
京都府京都市東山区粟田口華頂町1


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