コロナの影響で私たちの生活や価値観は大きく変化している。特に旅行がままならない状況の中で、ホテルの利用方法や楽しみ方がより豊かになっているように感じている。銀座の街に滞在する、という新たな楽しみがここでは実現できる。
銀座で見つけた、アート溢れる新感覚のホテル
銀座通りから花椿通りに入ってすぐの場所に、2019年オープンした「ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座8」がある。ここはザロイヤルホテルズが展開するライフスタイル型ホテル「キャンバスライン」の一つであり、老舗ホテルの確かなホスピタリティの下、自由に自分色にホテルライフが楽しめる新感覚ホテル。きっと、新しいホテルライフと出合えるはずだ。
通りから見たエントランス。ガラス越しにもそのセンスの良さが伝わってくる。
ガラス張りのエントランスからは、カウンターのあるティーサロンが伺え、一見するとホテルだとは気づかない。正面にはまるでブティックのカウンターのようなフロントが見えてきて、初めてのホテルに足を踏み入れたときの緊張感を静かに振り解いてくれる。そのシンプルでありながら洗練された空間は、まるでソーホー地区のアパルトマンのような雰囲気で、これからの滞在へ期待が膨らんでくる。
左手のカウンターが「TEA SALON」。ここでは急須でじっくり淹れた日本茶のほか、日本茶を使ったカクテルなどもいただける。中央にあるのがフロントデスク。
コロナ前は、場所柄もあって多くの外国人観光客が滞在していたと言うが、今はその風景が少し変わって、銀座界隈で働く人々や関東近郊に暮らす人々がまるで自分のセカンドハウスのように利用している様子だ。ホテルといえば旅行や出張時の宿泊が目的であったが、今は日常生活の延長線上にある自分だけの時間を過ごせる空間として楽しんでいる人が増えているようだ。ホテルライフを気軽に楽しむスタイルはコロナの産物と言えるのかもしれない。
ホテルが生み出すコミュニケーションは街の交差点となる
このホテルの特筆すべき魅力を一言で言うなら、そのセンスの良さである。フロントのある1階から階段を上がって行くと中2階、2階へとつながっていく。中2階には「ミュージックライブラリ」と呼ばれるスペースがあり、スタッフがセレクトした懐かしいレコードジャケットが並んでいる。中でも40〜50代の人々の青春を彩ったミュージックがずらり。
中2階にある「ミュージックライブラリ」。ヘッドホンの貸し出しもあるので懐かしい音楽で悦に入るのもよし
さらに階段を上がった先には「キャンバスラウンジ」「キャンバスキッチン」がある。ビンテージモダンをイメージしたインテリアと現代アートが融合したラウンジは、ゆるりとした時間が流れていて、不思議と心地良い空間なのである。ここでは宿泊者が友人と過ごしたり、カフェで頼んだ飲み物を飲んだり、仕事をしたり、それぞれが好きに使える空間として設計されている。
コロナ前は音楽イベントやワークショップなども開催されており、宿泊者と銀座の街の交差点のような場所になっている。奥のキャンバスキッチンは主にイベントで使われていたが、今は宿泊者も一部使用できる。
注目のシェフが監修を務める、人気のレストラン「Opus」
ホテルオープン時に多くのメディアに取り上げられたのが、最上階14階にあるテラス付のレストラン「Opus(オーパス)」。ここはミシュランの星付レストラン「Ode」オーナーシェフ・生井祐介がメニューの監修しており、日本各地から取り寄せた魚介や野菜を特製窯で調理する「モダンシーフードグリル」が楽しめる。日本の感性と現代的センスを織り交ぜた一品が味わえるカジュアルな印象のレストランは、宿泊以外の方も多く訪れている人気店だ。
現在はランチ・ディナーでの営業となっている「Opus」。
客室はシンプルモダンなスタイルがすがすがしい、そんな印象である。ミレニアル世代をターゲットとしていることから、自らのセンスで楽しめる客室だ。アメニティも洗面所には置かず、フロント横に設置したものを欲しい分だけ持っていくというセルフスタイル。この方が洗面台をスッキリと使える上に、環境にも優しい。必要な時に必要なサービスを提供してくれる方が心地よい場合もある。この適度な距離感こそが、自分だけのアパルトマンだと感じさせるのだと納得する。
落ち着きのあるシンプルな印象の「デラックスツインルーム」。
この銀座という便利で魅力溢れる街に、自分だけの部屋を持つように使えるのがこのホテルである。自分の時間をどう持つか? コロナ禍で改めて考えさせられるテーマではあるが、その答えの1つがここで見つかるような気がする。
東京都中央区銀座8丁目9番4号
TEL:03-6205-8010
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