築80年の古民家をリノベーションした、静かで穏やかな時間築80年の古民家をリノベーションした、静かで穏やかな時間

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2020.12.15

菱屋 海の京都・福知山の文化と職人技が息づく小さな古民家宿

築80年の古民家をリノベーションした、静かで穏やかな時間

 

京都には「海の京都」と呼ばれる地域がある。日本海に面する京都府北部地域(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)は、古くから大陸との交流の窓口であり、多くの神話が生まれた地でもある。その1つ、福知山は現在放送中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀のゆかりの地としても知られる城下町。その福知山・菱屋町に、2020年12月1日にオープンしたのが、大正時代の質屋をリノベーションした4室8名の小さな宿、菱屋である。

街に溶け込んだ宿の入り口にある白い暖簾が目印。 街に溶け込んだ宿の入り口にある白い暖簾が目印。

街に溶け込んだ宿の入り口にある白い暖簾が目印。

ここは福知山に暮らすオーナーが、福知山の文化や歴史が体感でき、街に賑わいを取り戻したいという思いでつくった宿。福知山の豊かな伝統文化や職人技を存分に取り入れ、現代のセンスを散りばめた宿は、小さくも温かいおもてなしの心が詰まっている。エントランスの引き戸を開けると、古くからの暮らしを感じる上り框があり、素足につたわるのは数奇屋建築に用いられる名栗加工を施した吉野杉。また4つの客室をつなげるホールは、由良川の度重なる水害から屋根裏部屋へ避難するために設けられていた吹き抜けがいかされている。客室はそれぞれに趣きが異なる。藍で染めた土壁、錫を混ぜ込んだ和紙、杉皮を使用した内装、丹後檜、丹波漆、福知山藍、黒谷和紙など、この地域に昔からある材料を職人たちの伝統的な手法によって蘇られせた。また別の入り口から入る小さな料理屋も備わっている。

 

ホールの吹き抜けが宿に光を運ぶ。 ホールの吹き抜けが宿に光を運ぶ。

ホールの吹き抜けが宿に光を運ぶ。

左官で仕上げられた、吹き抜けの高い空間。 左官で仕上げられた、吹き抜けの高い空間。

左官で仕上げられた、吹き抜けの高い空間。


青く染められた綾部の手漉き和紙は時間によって空間を変化させる。 青く染められた綾部の手漉き和紙は時間によって空間を変化させる。

青く染められた綾部の手漉き和紙は時間によって空間を変化させる。

「飲食店を経営するクライアントは、遠方から来られたお客様の宿泊先がビジネスホテルしかない事を憂いていました。風情が失われる街のために何かをしたいという思いがありましたので、地域の素材や職人の技術、地域文化を活かした宿を作ることにしました」と語るのは、設計を担当した佐野文彦。今回のプロジェクトは空き家を生きた施設へと生まれ変わらせただけでなく、地域の職人や作家の仕事が増えることにつながり、また宿泊者にとっても素材や作品を通して丹波や丹後を知ることができる。まさに一石二鳥の取り組みだ。「このような循環が生まれることで、地域が活性化し、新たな人やものを呼び込むきっかけになれば嬉しいですね」。


菱屋とは入り口が異なる小さな料理屋。ここは宿泊客以外も利用できる。 菱屋とは入り口が異なる小さな料理屋。ここは宿泊客以外も利用できる。

菱屋とは入り口が異なる小さな料理屋。ここは宿泊客以外も利用できる。


歴史と文化を感じる宿で、福知山の街を訪ね歩く

 

福知山の文化や職人技に触れると、福山の街の散策もさらに楽しくなる。街を流れる由良川を眺めながら散策すれば、明智光秀が築いた福知山城がある。天守台から本丸にかけての石垣は墓石や五輪塔を転用した「転用石」がおよそ500個積まれ、中には墓石やお地蔵様らしき石もある。この石垣は440年以上経ってもびくともしてないというから驚く。また明智光秀を祀った御霊神社(ごりょうじんじゃ)にも足を伸ばすのもよいだろう。さらに、福知山から列車や車を利用すれば、天橋立や伊根の舟屋などへ訪れることもできる。この機会に、もうひとつの京都である「海の京都」を満喫して欲しい。



菱屋

京都府福知山市菱屋52

JR福知山駅から徒歩20分

 

Photography by Yuna Yagi

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