新橋駅から新橋赤レンガ通りを大門方面へ歩いていくと、オフィスビルの合間にガラス張りの洗練された空間が広がるカフェが目に飛び込んでくる。その空間は白木を基調としたすっきりと清潔感があるインテリアで、茶箱や茶器、お茶にまつわる本などが並んでいる。そう、ここが今回ご紹介する「ホテル1899東京」。1階には、日本茶専門カフェ「チャヤ1899東京」があり、2階にフロント、3階〜9階までが客室になっている。
「チャヤ1899東京」の店内の様子。
お茶を使った人気のラテシリーズ。
ランチで人気の「和出汁キーマカレー」。なんとご飯は茶めしというこだわり。
五感に響く、茶文化と安らぎ空間
「ホテル1899東京」の経営母体は、東京駅八重洲口にある「ホテル龍名館東京」や全9室のジュニアスイート「ホテル龍名館お茶の水本店」などを運営する「龍名館」である。2014年、東京・御茶ノ水の「ホテル龍名館お茶の水」の付帯レストランとしてお茶をテーマにした「1899」ブランドの一号店「レストラン1899お茶の水」が誕生。2018年に、お茶をテーマとする「ホテル1899東京」がオープンした。
和の佇まいが美しいホテルエントランス。
なぜお茶がテーマなのだろうか? 実は龍名館の創業の地である御茶ノ水は、江戸時代、徳川家のお茶を淹れるための水がこの地から湧いていたことに由来しているという。この地の所以にちなみ、また日本の伝統文化であるお茶は日本人の心を潤し、人々をつなげる役割も果たす、日本のホスピタリティそのもの。その精神を多くの方々に体験し、またもっとお茶を知り、楽しんで欲しいという思いが昇華して誕生したホテルなのだ。
コーナーデラックスツインルーム。窓際には縁側のようなベンチが置かれている。
シャンプー、コンディショナー、バス&シャワージェル、ボディローション全てのバスアメニティに緑茶成分が配合されている。
あらゆるところで日本茶を感じられる、遊び心ある空間
「ホテル1899東京」の客室数は63室。室内は「庵(いおり)」をイメージした部屋や縁側に見立てたベンチソファがある部屋など、趣の異なる和のテイストを取り入れた落ち着いたしつらえとなっている。
お茶のモチーフをアレンジした遊び心も随所に見られる。「茶さじ」をイメージしたエレベーターホールの階数表示や、茶道具である「茶せん」をモチーフにした照明など、微細な部分にまで行き渡ったお茶へのこだわりも、私たちの心をほっこりとさせてくれる。
「茶せん」をイメージした照明と、ゆっくりお茶をいただきたくなるベンチシート。
滞在中は、2階フロント横にあるティーカウンターへ行けば、何度でも美味しい日本茶を楽しむことができる。お茶を知り尽くした「茶バリエ」が、茶釜で沸かした湯で、抹茶や煎茶を丁寧に淹れてくれる本格的なもの。作法を気にすることなく、日本茶の香りや味わいをゆっくり楽しんで欲しいと言うホテルからのサービスである。もちろん各客室にはオリジナルブレンドのティーバッグも用意。なんと部屋に用意された2種類のミネラルウォーターの1つは、お茶を淹れるのに適した水をセレクトしているのだと言う。この心遣いとこだわりに心を動かされる。
フロントの横にはティーカウンターがある。その後ろには素敵な茶器や日本茶などが販売されている。
1899では「日本茶セミナー1899ティーカレッジ」も主宰しており、日本茶インストラクターや日本茶の専門家による講義や茶畑に茶摘みへ出かけるなどの体験ができるなど、日本茶の奥深い魅力的を探求できるワークショップも開催している。詳しくはホームページを参照いただきたい。
とことん日本茶を楽しめる「ホテル1899東京」。日本茶が持つ香りや味わいが、いかに私たちを心地よい時間へ誘ってくれるのかを体感することができるホテルだ。改めて日本茶の魅力を知り、そこに込められたもてなしの心を感じられる空間になっている。日々忙しさに流されていく都会にあって、自分だけの時間を持ち、静かに安らぎたい。そんな気分のときにこそ訪れたい、都心のオアシスのようなホテルである。
東京都港区新橋6-4−1
Premium Japan Members へのご招待
最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。
Stories
Premium X
日本のプレミアムなホテル
Premium X