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2023.11.17

日本外国人特派員協会(FCCJ)にて北野武監督「首」の記者発表レポート

「首」のプレス発表会を外国人特派員協会(FCCJ)で行った北野武監督

11月23日から公開される、北野武監督の新作「首」の記者発表に参加してきました。会場は私がアソシエイトメンバーコミッティのメンバーをしている日本外国人特派員協会(FCCJ)です。このFCCJはForeign Correspondents’ Club Japanの略で、世界で最も古く、最も権威のある記者クラブのひとつ。1945年以来、世界にニュースを配信し続けています。毎日様々なジャンルの方が記者発表をしているので、このFCCJのマークをTVなどで見かけたことがある方も多数いるかと思います。


首 首

北野監督が、出演・脚本・監督を担当したオリジナルの映画「首」。

 










北野監督はこの映画の構想に30年を費やしたそう。「アウトレイジ 最終章」以来、6年ぶりの新作となる今作は「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで作られた戦国スペクタクル映画です。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出しています。

 

北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じています。なぜ出演することになったか?以前の会見では自身で出演する予定はなかったものの、海外へのアピールなどを考慮した周囲から説得・要請されて出演することになったそう。ビートたけしと羽柴秀吉はどう重なりあって演技に生かされていたのでしょうか?

 

 

「本当に監督1本でやりたい気持ちはあったが、出演するとなると自分の中ではやりやすいのは秀吉だなと。昔からタレントを戦国武将になぞらえた本がよくあって。信長がぼんちおさむちゃんだとか、紳助が明智光秀だとか、俺が大抵秀吉なんですよ(笑)色々なもの見ると、やっぱり自分がやりやすいのは秀吉だなという感じがあったし、ストーリーの影の部分の悪人をやっているので、監督を同時にやる時にけっこう離れて人の芝居を見られるということがあって。だから自分の時はどうにもならなくなっているが(笑)監督をやるために秀吉を選んだのと、やりやすいので、当然そうなった」と語っていました。

 

映画の内容については「もっと戦国時代の男色というのは男同士、その人に命をかけるというような意味での男色であって。信長は子供を22人授かっている。性的な関係が違うというのは、ほとんど日本のテレビなんかは描かない。もっと戦国時代はドロドロした男同士の関係や裏切とか色んなことが同時に起こってああいう風な事件になったというのを30年前台本に書いた。それはたまには時代劇を撮ろうということで、撮ってみた結果ですが。試写会の段階ではかなり好評で非常に喜んでます」と話していました。

 



たけし たけし

20年ぶりのFCCJでの記者発表だったため、外国人記者が多数出席し様々な質問が飛んだ


また暴力的でダークな映画と、お笑いなどまったく違う性質のものを演じ分けるにはどんなチャレンジがあるのか?との質問が。すると「シリアスとお笑いには表裏一体。お笑いには悪魔がいると思っています。チャップリンの言葉じゃないけど、貧しい人がバナナを踏んでも面白くないが、総理大臣のような偉い人が同じことをすると笑ってしまう。だから暴力映画もそうで、すごくシリアスなシーンを撮影していると同時にお笑いの悪魔が忍び込んできて、現場では大笑いすることが多々あるんです。」と。

現在制作中の映画にも話がおよび、「暴力映画におけるお笑い」というテーマで制作に入っていると明かしてくれました。

 

 









記者発表の最中にはジャニーズや宝塚の問題、日本の芸能界の暗部についての質問が外国人記者から相次ぎました。ジャニーズのスキャンダルについての質問については、「かつての日本の芸能界ではそういう噂はよくあったことだが、自分たちにとってはそれは当然あるだろうぐらいしか考えていなかった。それがこんな大きな問題になるとは時代の流れかな。自分を商品としてそれを道具として売ってお金を稼ぐ、という考えが芸能界にありましたから」と答えていました。

 

海外でも尊敬を集める北野監督。どんな質問にも思っていることを淡々と答えていたのが印象的でした。そしてもちろんユーモアもあり、会場に集まった外国人記者たちを魅了していました。

 

















島村美緒  Mio Shimamura 島村美緒  Mio Shimamura

島村美緒  Mio Shimamura

2017年からプレミアムジャパンの代表、そして編集長として、日本のいいモノ・コトを紹介中。着物と映画、音楽、ジュエリー、スイーツ好き。

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