日本のスパゲッティ史に輝く!
カプリチョーザの「トマトとニンニクのスパゲッティ」は必食ものだ
以前紹介したナポリタンは、もちろんジャパニーズ・スパゲッティの典型である。今回はナポリタン以外を探索した。で、ド定番のカプリチョーザの「トマトとニンニクのスパゲッティ」を紹介する。
以下、以前に紹介したナポリタンの名店も挙げておく。
浅草のロッジ赤石はナポリタンの名店だ。毎日でも通いたい店である。
浅草・ロッジ赤石のナポリタンは東京でNO.1! これぞ日本人のためのスパゲッティ!
イタリア料理のチェーン店「カプリチョーザ」である。そもそもの創業者・本多征昭氏は、1962年にイタリアに渡り、国立のホテル学校を最優秀で卒業した。ヨーロッパでの料理コンテストにも入賞していたような人物だ。1970年代にイタリア料理を日本に移植した第一世代であり、初店舗を開いたのは1978年、かなり本格志向だったようだ(惜しくもその10年後に逝去)。
南イタリアの大衆食堂をイメージしているんだが、使うトマトだって、ずっとプーリア州のものだぜ。だから、他のイタリアン・チェーン店とは明らかに一線を画する店と言えるでしょうな。概して、段違いに旨い。ここで取り上げたいのは「トマトとニンニクのスパゲッティ」。40年以上も不動の人気No.1らしいから、そんなもの、とっくの昔に知っとるわいという人も沢山いるだろう。すんませんね。
もちろん、おそらくイタリア本国にはないであろうシロモノだ。運ばれてきた途端、ニンニクの匂いがプンプーンと立ち上ってくる。すげえぞ。
筆者が思い出すのは、イタリア料理を北から南まで知り尽くしたシェフに聞いた話だ。イタリアでは、ニンニクは南に行けば行くほど入れる量が多くなる。ゴロリと入っていることもある。しかし、北に行けばニンニクは香り付けだけで取り出す。例えばミラノなんかでは、賄(まかな)いパスタでニンニクが形で残っていたりすると、シェフ仲間からは「お前、オレをコロす気か?」と言われたそうだ。
その意味では、「トマトとニンニクのスパゲッティ」を、北イタリアの人間が食べたら死んじまうかもしれん(笑)。というか、あり得ないパスタなのだろう。ナポリ以南とかシチリア島のイタリア人にならウケるかも。
しかしこんな、まるで百合根のようにホクホクに揚げたニンニクそのものを、重要な具のひとつとして食べる発想はやはり、ジャパニーズなんだろな。
初めて食ったときには、かなりビックリした。だって、とにかく旨えんだもん。厚めにスライスしたニンニクが本当にいい。2カケ分くらい入っている。トマトソースがこれまた濃厚で、甘味が強い。その甘味は、キザなことを言えば、イタリア・ソレントで食べた夏トマトのポモドーロを思い出させるなあ(遠い目)。玉ねぎもいい甘味を加えている。ソースがこれでもかと言わんばかりにパスタに絡みついているから、最後の1本まで旨い。
セントラルキッチンだから、どこの店舗で食べても味はそう変わらないだろう。試したことはないが、冷凍食品でも売っているようだ。なんと、コーンスナック!にもなっている。
カプリチョーザに行ったことのない人は、バカにしないで、一度食べてみてはどうか? ド胆、抜かれるぜ。
カプリチョーザ
国内外に約100店舗あり。
今回訪れたのは、イオン板橋ショッピングセンター店
℡03-5922-1050
営業時間:11:00~22:00
定休日:なし
トマトとニンニク 1220円
渡り蟹のトマトクリーム 1360円
魚介とたらこのクリームソース 1290円
「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。
筆者プロフィール
食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。
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