行列覚悟!東京の絶品おにぎり屋 ベスト5 発表!の巻行列覚悟!東京の絶品おにぎり屋 ベスト5 発表!の巻

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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2024.7.19

行列覚悟!東京の絶品おにぎり屋 ベスト5 発表!の巻

前回は、筆者がこよなく愛する「おにぎり ぼんご」を紹介したが、今回はさらに「おにぎり 浅草宿六」、「おにぎり・とん汁 山太郎」、「むすびや」利さく」の4軒をプラスして、たとえ長蛇の行列に並んでも食べたい、東京のおにぎり屋ベスト5として紹介したい。

 

 

いずれも握り立ての店だけだ。言うまでもないことだが、ホカホカの握り立ては、作り置きとは比べようもないほどの違いがある。この幸福、口福を味わってほしい。


「おにぎり ぼんご」の旨さはその味わいだけじゃない。行ったらわかるその凄さ。

➡️「おにぎり ぼんご」は旨いだけじゃない! ハッピーオーラが凄いんだ! を読みたい方はこちらをクリック





東京最古の「おにぎり 浅草宿六」は
上品かつ最上級に米を握る




宿六 宿六



「浅草宿六」は「おにぎり ぼんご」と並び称せられる店だ。創業は「ぼんご」の6年前の昭和29年である。東京ではいちばん古い。

 

場所は浅草なだけに、現在の猛烈なインバウンド状況からして、客層は外国人7割ってとこかな。今回は待たずにすっと入れたと思ったら、食べ終わって外に出ると15人の外国人の団体が並んでいた。





おにぎりは上品で、おにぎりという部類のものの最上級って感じ。白米がおにぎりの旨さのほとんどを決めるだろうが、コシヒカリの炊き具合は秀逸だ。硬めで粒立ちがいい。甘さだけではなく、旨味も香りも充分に出ている。それを、ふわっと握る。塩は天然塩で、江戸前の海苔も具材もそれぞれに吟味されたものだ。





しかし、おにぎりっちゅうもんは、究極の食材勝負メシである。白米と具材と海苔と塩だけだ。その中でも、白米と具材が、旨いか不味いかの9割5分ぐらいを決定づけるだろう。





今回食べたのは、人気の上位3つ。1位のさけ、2位たらこ、3位昆布だ。店主は3つを一緒に出すなんてことはしない。面倒だろうに、客の食べるペースを見ながら、ザルに載せて2個あるいは1個ずつ出してくれるのだ。丁稚が忙しいときには、主人自らがテーブルまで運んでくれた。いやー、おにぎりを一番いい状態で食べて欲しいんだね。その心意気にはたまげた。だから、コロナの影響もあるのだろうが、対応に限界があるから、あえて座席は満席にはしない。



「さけ」も「たらこ」も「昆布」も素晴らしいっす。「さけ」と「たらこ」は、こうあって欲しいと思うような味で、そこから1%もズレていない。感動した。

 

 

白米の甘味・旨味・香りと、具材の旨味と塩気の具合、そしてパリパリの海苔による磯の香りの、三位一体のコンビネーションは、繰り返し言うが最上級だ。






「昆布」は肉厚の昆布と椎茸の佃煮がゴロンと入っていて、中心部ではご飯にもシミていて、「さけ」「たらこ」とともに、シンプルだけどもおにぎりの王道を行く感じ。甘辛さがたまらない。

 

 

具の分量も当然のごとく考え抜かれている。ご飯に比して具が足りないなんてことはない。食べたときの両者の配分がいつも一緒だ。




隣にいた外国人カップルが「あみ」を頼んでいた。やるじゃんか。店主のお薦めでもあるし、私も追加で頼んでみた。しかし……、私は海老の佃煮である「あみ」ってもんが、あまり得意じゃなかったのだった。「しらす」にすれば良かった(笑)。






おにぎりを食べに行くだけではない
幸せになりに行くのだ!


まー、しかし、「ぼんご」に比べると、おにぎりの完成度は別にして、店としての在り方は「ぼんご」に学ぶ点は多いと思うね。というのは、握り立てのおにぎり屋って、味だけじゃなくて、人が幸せになりに行く所のように思うわけ。食事はどれもそうだろと言われればそうなのだが、オニギリは特にそういうものだと思うんだな。



店主はYouTubeで「ぼんご」の女将・右近由美子さんと対談していてさ、「一度、ウチに来てみたら」って言われていたけど、その通りだよ。おにぎりで人がどこまでハッピーになれるかを見聞しに行くといいと思う。

 

店主は右近さんと話す途中で、初めてトッピング(2種の具材合わせ)の存在を知るのだが、良いものは真似たほうがいいと思うけどな。だってさ、2種盛りってのは、間違いなく旨いゼ。現在のレベルを維持するだけでも大変だろうけど、さらに違う段階も目指して欲しい。

 

そうだ、沢庵は旨いし、味噌汁は珍しく赤出汁を使っている。コクがあって、これも旨い。食事に関しては完全無欠。いやいや、店主は孤軍奮闘、頑張っているんだけどね。残る課題は店全体の明るさだな(笑)。




おにぎり 浅草宿六

東京都台東区浅草3-9-10

℡03-3874-1615

11:30~、17:00~

定休日:(昼)日曜日、(夜)火曜・水曜・日曜日

あみ、しらす等 319円

さけ、こんぶ等 341円

たらこ等    374円

味噌汁 374円





「おにぎり・とん汁 山太郎」は
師匠の教えを守り、ハッピー全開だ




山太郎 山太郎




「ぼんご」で修業した女主人の店だ。だから、おにぎりの内容が似ているものもあるが、独自路線も進めている。具材は違うものがあるし、辛いのがけっこう好きなようだ。第一、とん汁という点が最も違う。

 

 

これは店主が、「人生の最期に、おにぎりととん汁を食べたい」ということから、その両方を出す店にすることを決めたそうだ。そう決意してから「ぼんご」に半年間の修業に入った。




「ぼんご」の女将・右近さんは、店に修業にくる人には、「技は教えていない、それはその人独自のもの。伝えているのは心です」と言っていた。

 

 

「山太郎」の店主はそれを忠実に守っていて、店内には粉うことなきハッピーオーラが漂っている。店主は明るく朗らかでチャーミングだ。バイト(日によって違う)に対しても、とても優しい。だからこそ、若い女性がこの店に群がるのだ。だって、ホントにハッピーになって帰れるもんな。





師匠が「ぼんご」だから、ご飯の炊き具合は素晴らしいし、塩も海苔もいい。白米と具の割合も2対1を守っている。具はメニュー表に載っているのが23種だが、カスタマイズで自由に組み合わせることができる。これは「ぼんご」も同じ。

 

 

「ぼんご」にない具は、麻薬たまご、スパイシィアヒポキ、ヤンニョムチキンの辛味3種で、どれも韓国料理インスパイア系かな。それと、すき焼き、海苔バター、うなクリ(鰻とクリームチーズ!)というオリジナルの3種だ。鰻にクリームチーズってのが凄い組み合わせだね(あまり頼む気はせんけど)。



ぼんごで修行した女将が守る
ぼんご仕込みの味と幸福感



私見によれば、あまり辛いものはおにぎりに合わないと思う。辛味が強すぎて、白米と海苔の味わいを消し去ってしまう。だから、上の辛味3種はお奨めしない。

 

 

代わりに私が単体で旨いと思うのは、しらす、さけ、ツナマヨ、生たらこ、すじこである。とりわけ「生たらこ」と「すじこ」は素晴らしく、陶然としてしまう。この辺は、「ぼんご」にかなり迫ったものとも言える。




2種盛りでお奨めしたいのは、「ぼんご」譲りの「肉そぼろ+卵黄」、これは間違いない。「明太マヨクリームチーズ」は「ぼんご」にもあるが、私はツーマッチだと思う。女性は好きな人が多いようだが、そもそもクリームチーズはくどすぎて、おにぎりにはあまり向かないと思う。それと山太郎の辛子明太子はけっこう辛い。そこが「ぼんご」の優しい味とは違う。

 

 

最後にとん汁だが、うーむ、コクはちと浅めだね。完成すると、火を止めちゃうんだよな。具は半分溶けていてもいいから、弱火で温め続けたほうがもっと旨くなると思うけどねえ。

 

 

ちなみに夜は予約ができて、手巻きとおつまみがあり酒も飲める店に変身する。これもきっと楽しいはずだ。





おにぎり・とん汁 山太郎

東京都豊島区雑司ヶ谷2-10-7

℡03-6823-7549

11:00~15:00、18:00~21:30

定休日:不定休

うめ、しそ昆布等 320円

しらす、サケ、ツナマヨ等 370円

肉そぼろ卵黄 420円

すじこ 650円

とん汁 360円






女性4人で回す「むすびや」は
神経細やかでハッピーになれる




むすびや むすびや



店は神楽坂を一番下から上ってすぐの路地を右に曲がったところにある。平日なら、イートインもテイクアウトもひっきりなしに客がやって来る。4人で回しても、てんてこ舞いなほどだ。握り手は2人もいる。

 

 

4人の女性が一心不乱でしかも和気藹々(あいあい)の構図は、なかなか好感が持てるものだ。やはり、店自体も店員の雰囲気も明るいのがいい。ここもハッピーオーラに満ちている店だなあ。




すぐ気づくことだが、テイクアウトの行列の客の顔が、みなニコニコしているのが凄い。この店のおにぎりを昼に食べるのが、それほど楽しみなんだろな。

 

 

セットメニューが3種類ある。「むすびやセット」は「おむすび2つ+鶏の唐揚げ1コ+味噌汁」(770円)と「おむすび3つ+鶏の唐揚げ2コ+味噌汁」(1080円)の二つ、「お茶漬けセット」は「好みのお茶漬け+鶏の唐揚げ2コ」(600円)と非常に良心的な値段設定だ。


行列に並ぶの人が全員幸せそうなのがいいぞ
米、塩、海苔すべてにこだわったおにぎり



米は五つ星お米マイスターが厳選した「一等米贅沢ブレンド」を使用するほか、具体的には明示していないが、塩と海苔にもこだわりまくっているとのこと。きっとそうだろな。

 

 

鶏の唐揚げは店内で途切れなく揚げられている状態なのだが、セットに漏れなく付いてくるから、きっと自信があるのだろう。大振りな唐揚げで、たぶん、塩コショウとうっすらとショウガしかしてないと思われるが、ジューシーで出色の出来映えだ。アツアツの状態で出してくれる。小皿にちょっと盛られた柚子胡椒をつけても旨い。




私が頼んだのは、おむすび3個のセットだ。具は親子(鮭・いくら、これは100円増し)、しらす明太、牛すき山椒であるが、どれもこれも旨かったなあ。親子(鮭・いくら)は失敗しようがない組み合わせだ。鮭自体の味がいいことは大前提だが。しらす明太は、明太子が優しい辛味で、そこに釜揚げしらすの柔らかい食感が絡み、さらに大葉が清涼感をもたらす。牛のすき焼きに山椒が振ってあるのもいい味付けだ。それらすべてが、やはりフンワリとエアリーに握られている。

 

 

すぐ目の前でにぎっているのを眺めるのも楽しい。この店も豪快系ではなく、「宿六」と同じく上品系だ。細部まで神経が行き届いているのを感じる。結局、豪快なのは、ぼんごの弟子筋だけだね。




白米は今回紹介した5軒の中ではいちばん柔らかい。水を控えて、あと5%ぐらい硬くすると、粒立ちがさらに良くなるんじゃないかな。いや、もちろん十二分に旨いんだぜ。味噌汁はキャベツ、豆腐、ナメコと具沢山でお母ちゃんの家庭の味噌汁って感じで、これまた好感度高しやね。沢庵も旨かった。ここも通いたくなるおにぎり屋だ。




むすびや むすびや

むすびや

東京都新宿区神楽坂2-10

℡03-3235-3094

(月・火・木・金)08:30~14:00

(土)10:00~14:00

定休日:水・日・祝日

鮭、うめ、ツナマヨ、じゃこ生七味等 240円

卵黄味噌漬け、しらす明太、ゆずマヨチキン等 290円

親子(鮭・いくら)、大葉すじこ等 350円




女性客に人気の「利さく」は誠実な店
おっさんにはちと大きさが足りない








丁寧に真面目に食べ物に取り組んでいる店だ。どんなものを作るにしても、それがいちばん大事だと思いませんかい? 店内の汚れが目立ったり、料理を作る時に気が抜けているような店はやはりダメなのよね~。

 

 

「利さく」の場所は文京区の千駄木だ。団子坂を登れば、森鷗外記念館なんかもある。下町の情緒がほんの少しだけ漂う街にある、こじんまりとした日本家屋が当店だ。

 

 

米は群馬県板倉町産のコシヒカリだが、板倉町は水が豊かな土地で、米作りの匠と称される農家から取り寄せたものだという。研究の結果、米は4度の冷蔵庫に入れて冷やすと、いちばん吸水がいいそうだ。




昔ながらの羽釜を使い、炊きたてを供したいから、一度には少量にして日に何度も炊く。海苔は有明産、塩は沖縄の海洋深層水から作られた混じりけのないもの。



おにぎり常時30種類
サイドメニューもいろいろあって女子ウケ確実



「利さく」の最大の特徴は、おにぎりが常時30種類あることに加えて、自家製のサイドメニューの多彩ぶりにある。汁物は2種類で日によって異なるが、味噌汁、豆乳スープ、グリーンカレースープ、豚汁といろいろ変わるようだ。お総菜も多種多様で単品で付け足すことができる。

 

 

セットメニューにすると、Aセットは「お好みのおにぎり2ケ+お好みのスープ」(850円)、Bセットは「お惣菜4種盛り+お好みのおにぎり1ケ+お好みのスープ」(1150円)、利さくプレートが「お好みのおにぎり2ケ+甲斐美桜鶏のグリルか銀だらの味噌焼+4種のお惣菜小鉢+お好みのスープ」(1700円)となる。




第二の特徴は、おにぎりもお惣菜もいずれも小振りであることだ。店主の手と胃袋が小さいのかもね(笑)。おにぎりに至っては「ぼんご」の半分の大きさだ。だから、Aセットなんかは女性でも足りんだろな。おっさんなら倍の4個でも軽くいけちゃう。

 

 

筆者が頼んだのは「利さくプレート」で、この日のお惣菜は、4つの小鉢にポテトサラダ、モヤシのナムル、小松菜の煮びたし、カボチャの煮物だ。ただし、どれも二口ぐらいでなくなっちゃう。ちょっと少ないよな。味噌汁は普通の一人前の量があって、合わせ味噌で、具は豆腐、揚げ、ワカメ、三つ葉で、味が濃い。三つ葉が効いている。うむ、いい味じゃ。



肝腎のおにぎりで私が選んだのは、鮭すじこ、梅おかか、たらこ。白米はたしかに、甘味に旨味があって、とても旨い。硬く丁度いい具合で、塩気もいいし、海苔もいい。それぞれの具材も吟味されたものを感じる。そうねえ、具があと1・5倍の分量があるともっといいんだがねえ。

 

 

「ぼんご」や「山太郎」のように豪快ではない、上品なおにぎり屋ですな。量からすると、女性向けの店かもね。とはいえ、おいしさに関しては申し分ないっす。




おにぎりカフェ利さく

東京都文京区千駄木2-31-6

℡03-5834-7292

09:00~20:00

定休日:水曜日

塩にぎり 180円

紀州土用梅、昆布おかか、塩こぶたくあん等 200円

鮭、瑞穂町ポークそぼろ等 220円

じゃこ、梅おかか等 230円

明太子、豚キムチ、クリームチーズたらこ等 250円

すじこ 300円

鮭すじこ 320円

 




「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは

うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。



筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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