光る君へ 第41回「揺らぎ」あらすじ&今週も言いたい放題
三条帝から道長へ圧力!明子所生の息子・顕信が犠牲となり出家!道長周辺、きな臭いです
今週のお当番のN子です。一条天皇が亡くなり、あのきれいなお顔を見ることがなくなりちょっとショックでしたが、物語はさらに進みます。三条天皇と道長のバトル、そしてその犠牲者が道長と明子の息子、顕信だったこと……道長は着々と頂点へと昇っていきますが、これまでになく道長の周辺がきな臭いのです。
徐々に道長の周辺を囲い込む……即位が決まってからの三条帝の動きがあやしいぞ
一条帝が崩御してからまだ日も浅いのですが、内裏ではすでに三条帝即位へ向けて動き出しました。その最初の一撃は、藤原公任に即位関連の儀式の責任者になれと言ってきたこと。こういう公事は実資が適役と進言しますが、お前がやれの一点張り。仕方なく、道長もOKを出します。このときはまだ、道長はおおごとにはとらえていないようです。
しかし、二の矢、三の矢を放ってくる三条帝です。今度は自分の側近を、道長の腹違いの兄・道綱や、先の皇后定子の弟・隆家をセレクトしてくるあたり、道長ブレーンを引きはがし、自分サイドにつけようとする魂胆みえみえです。
三条帝の要求は次第にエスカレートしていきます。寵愛する妻・娍子(すけこ)と、入内したばかりの道長の次女・妍子(きよこ)、ふたりを同時に女御にすると宣言。しっかりとした後ろ盾を持たない娍子を女御にするなど先例がないことを理由に、拒絶しようとしますが、三条帝に押し切られます。
ま、道長も一条帝の御代の際、無理やり彰子さまを入内させ女御宣下、そして定子さまを皇后に押し上げて、一帝二后という先例のないことをやってますから、三条帝のことを責められないと思うのですが。
とにかく三条帝がずる賢いのです。道長の権力をそぎ、自分の影響力を強めていく気マンマンなのです。
もう自分の人生、お先真っ暗!と顕信突然の出家!明子絶叫からの道長糾弾!
「揺らぎ」回の最も衝撃的なエピソードは、明子の息子・顕信出家でしょうか。三条帝は、娍子の弟を参議に加えたいと言い出します。道長も自分の子どもたちに便宜を図っている、だから自分も娍子の弟を参議に加えたいと。その代わり、道長の息子明子所生の顕信を蔵人頭に取り立てようというバーター人事です。
道長、その手には乗らない、帝に貸しを作ってはいけないと、その申し出をきっぱりと断りました……。大ショックの明子と顕信です。本妻格の倫子所生の子どもたちはぐんぐん出征街道まっしぐらなのを、明子もその息子たちも指をくわえて見ていたのです。道長が、お前たちのことも考えている、と言い聞かせられてきましたから。
蔵人頭は参議へのパスポートなのに、ところがまさかの!自分の立場を守るために、三条帝との取引をせず、蔵人頭への打診を断ってしまったのです。これには明子も顕信も激怒です。
世をはかなんだ顕信は比叡山にて出家してしまいます。さすがの道長も仰天。明子は絶叫、そして道長を糾弾!そりゃそうですよ。そうなりますわよ。
史実でも、道長と明子は顕信の出家に嘆き悲しんだそうです。出家してしまったものは仕方ないので、道長一行は比叡山まで登って、顕信の出家を見届けたと言われています。
人の、立身出世への気持ちは、強大なもの……
左大臣の息子であっても、本妻格には劣る明子の子だというだけで、ずっと足踏みさせたれていたら、嫌になってしまうと思うのですよ。偉くなったらなったで、責任もあるし、厄介ごとも増える。出費も多そう。でも、それは立身出世したものにしかわからないもの。厄介ごとと引き換えに得たものだって多くある。それに、ずっと二番手、三番手をやっていくだけの精神力はなかなか胆力が要るもの。
だから顕信の出家を責められないと思いました。明子、明子との子供たちへの配慮が足りなかったですよ、道長は!
人の、名誉やお金に対する気持ちを甘く見てはいけないなと思います。
道長「紫の上はどうなった?」って……それってまさか……もう読んでいないの???
まひろの局にやってきた道長。私、ここでのやり取りにちょっと驚いてしまったのです。「まだ物語を書いているのか?」ってちょっとちょっと!そんなことまひろに言わないでくださいよ。あなたが書けっていうから書いているのにさ!
まひろも「飛んだおっしゃりようだこと」と応戦しますが、道長が「紫の上はどうなった?」と過去形で聞いたことにゾッとしたのです。どうなるの?ではなく、どうなった?なんですよ。
つまり、もう物語は読んでいないので、紫の上がその後どうなったのか知らないから聞いたわけですよね。あんなにまひろの物語の力に頼っていたのに、彰子さまがふたりの皇子を生み、無事、東宮になったから、安心してしまったのでしょうか?ひどいです!
折しもまひろは「幻」を執筆中……
道長、もうまひろの物語を必要としていないことがバレちゃいましたが、折しもまひろが執筆していたのは「幻」の巻。紫の上亡き後の光る君の様子が描かれている巻です。そして……この次の巻「雲隠」には本文がありません。
本文がないということは……もう光る君も亡くなったしまったという暗示なのです。道長の絶頂期、望月の和歌を詠むのはもう少し先のことですが、「光る君へ」もクライマックスに突入!なんでしょうね。
道長の次女・妍子がヤバい。地雷っぽい女です
今回、敦康親王が、彰子さまを訪問されました。敦康親王はお顔が見たいと、御簾の中に入ってきてしまい、その話を聞いた道長が激怒。二度と内裏に入れないようにせよと行成に命じます。道長は彰子さまと敦康親王の関係を、光る君と藤壺の関係に重ね、ちょっと妄想が入ってるのもあり、心配なのです。
さすがの行成もそれには異を呈します。帝の皇子である敦康親王を内裏に入れないようにするなど「左大臣様がおかしくおわします」とばっさり。いいぞ行成。
でも心配なのは、三条帝に嫁いだ妹の妍子ですよ。 三条帝の長男・敦明親王に「好き♡」って自分から言い寄る始末。これはなんかあるかもしれないな……道長は、妍子が皇女しか生まなかったことですごく冷たかったらしいです。もしかしたら、その皇女が……実は……?みたいな展開も、無きにしも非ずかも!
清少納言との友情の終わりはあっけなく
彰子さまのサロンで、和歌の会を開催していました。赤染衛門、藤式部、和泉式部と、彰子サロンを彩る当代きっての才女たちが和歌を詠みあげているところへ、なんと清少納言が突入です。
敦康親王から、彰子さまへ椿もちのご進物です。好意的に受け入れてくれた彰子さまに散々悪態をついて帰っていきました。あの、文芸について語り合ったあの日のききょうさまはもういません。
まひろ、局に戻って、清少納言の悪口書いてました!「紫式部日記」などにも清少納言批判が結構あるのですが、ここにつながるのですね。さすが大石静先生です。
またこのパターン?とちょっと思ってしまった双樹丸と賢子との行方
まひろも市中で直秀と出会い、道長もいたけど、ちょっといい感じになっていました。まひろの血を引いた賢子も、ワイルド系に弱いってことなのでしょうか?なんかこのパターン、あまりしっくりきません。
でも双樹丸は武士。武士が台頭し、貴族の時代が終わりはそう遠くないことを匂わせていく狙いなのでしょうが、もうワイルド系に惹かれる姫、ってパターンはおなか一杯なんだけどなあ。
まひろは「幻」の巻を書いていましたから、物語もいよいよ大団円に向かうころでしょう。10月の終わりに吉高由里子さんと柄本佑さんが、クランクアップしたというニュースがありました。ああもう終わりまで1か月ちょっと。きっと光る君へロスになってしまうことでしょう!
「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……
Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!
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