光る君へ 第45回 「はばたき」あらすじ&今週も言いたい放題
まひろの旅立ち!賢子が実の子とわかり歯ぎしり道長は涙の出家! 怒涛の周明再会!
今週のお当番、N子です。先週は神回でしたね!ラストシーンの望月の歌の解釈で、M男さんと喧々諤々しておりました。
そして今週は、まひろ出奔、賢子が実の子とわかり歯ぎしり道長からの~涙の出家!もうびっくり展開の連続でした。
やっぱり解釈で揉めてた「望月の歌」
一夜明けて、道長以外のF4の面々が集まり、道長が詠んだ歌の解釈で持ち切りです。我が世となり栄華を極めたことを自慢する歌なのか?月は女性を表すから3人の娘たちがそれぞれ皇后の座を占めていることを寿ぐ歌なのか?謎に包まれます。
この歌、道長が何かに書きつけたから残っているわけではありません。即興で詠んだものを実資が自身の日記「小右記」に記録したから後世に残っているのですが、「世」なのか?「夜」なのか?「月」は何を指しているのか?で、解釈が違いますよね。
今回、大石静さんは「夜」と解釈したんでしょうね。あの晩、これまでずっと一緒に頑張ってきたF4の面々、次世代を担う子どもたちの頼道はじめ、すべての皇后の座を占めている娘たちに囲まれている。
まひろに問い詰められていた「民のためのまつりごと」は、自分の代ではまだ十分ではないが、次世代へと託されていくよ、そして!
あの、六条の廃邸で契ったあの晩の満月から今日まで、まひろを思い続けてきた、この気持ちは変わらない!
……って、本妻の倫子さまの目の前で詠んで、視線はまひろをガン見ときた。もう倫子さまのお気持ちを考えると死にそう……
でも素晴らしい解釈、展開でした。大石静さまグッジョブです。
まひろは旅へ、そして道長との長い関係も終焉へ
まひろ、とうとう物語を書き終えました……。『源氏物語』最後の巻である「夢浮橋」の唐突な終わり方を思わせる、まひろの旅立ちです。薫の君、匂宮、ふたりの貴公子の間で揺れる浮舟は入水自殺を図りますが失敗。僧侶に助けられ出家します。居所を突き止めた薫が手紙を出すも、浮舟は拒絶。薫の心は千々に乱れて……おしまい。
えっ?で?薫は?浮舟は?どうなるの……?って終わり方なんですよ。
まひろは「物語は終わりました」ってすがすがしい顔してたけど、あんな終わり方ですよ?それはなかろうぞ?と私は思っていましたが、まひろとしては「終わった」ということなんでしょう。
そして、薫の君も、匂宮のことも、これまでの人生もスパッと切っていった浮舟のように、まひろも道長をおきざりにして、旅に出ると宣言します。
彰子さまも立派にご成長されたし、娘の賢子も大人になり女房として彰子さまの元に出仕することも決まって、そして何よりも物語を書き終えたこと。これは大きかったのではないでしょうか?
物語を書くことで、心の整理ができたということなんだと思います。心は決まりました。
もうこれ以上自分のものにならない思い人のかたわらにいるのも疲れたのです。とても大切に、重くあつかわれてはいるけれど自分は単なる女房。妾になりたくないし、本妻にはなれないし……紫の上とおなじ境遇ですね。
あんなに物語を所望していたくせに、もう物語は要らないとか道長に言われるわ、倫子さまはうすうす自分たちが思いあっている同士だということはバレているのに、道長の伝記本書けって言われるわ、なんかもうまひろ、ツラい!……って感じです。
道長への思いも断ち切る潮時か……。
でも道長は諦めきれません。まひろに詰め寄りますが、もう終わりと宣言されてしまいました。旅から戻っても、もうこれまでの関係ではないと。
そして爆弾を落とします。賢子はあなた様の娘ですと……。
まひろの爆弾発言は予防線か???
まさかのまひろの突き放し&告白に、道長は仰天ですよ。っていうか、道長さんあなたはニブい!宇治十帖なんて、あんなウツな物語後半を書いている女の心がどんなだか、考えたことがありますか?
そして賢子のこと。石山寺のあの晩のことと結び付けたことなかったの???マジでニブ過ぎです。
まひろは、匂わせたことありましたよ。賢子の裳着に祝いの品を贈ってもらうようにお願いしたときなど、もしやもしやもしや?って、一度も考えたなかったのでしょうか?
……なかったんだね。
内裏で働き始めた実の娘、賢子を遠くから見つめながら歯ぎしりする道長。ああっ!こんなことなら、もっと面倒をみてやるべきだった!なんとしてもまひろを妾にしておくべくだった!などなど、思いをはさらに千々に乱れてる模様。
まひろのこの爆弾発言は、予防線もあったのだと思います。まひろがいない間に、賢子に変な気を起こさないでよ!っていう……。
こののち、賢子は内裏で出世していくので、もしかして道長の後押しがあるのかもしれません。
道長出家!失恋すると髪を切りたくなるよね!
疲れた、休みたいと言って突然の出家宣言をする道長です。倫子さまはもちろん止めます。倫子さま思わず「藤式部がいなくなったからですの?」って聞いてしまいますが、道長はその質問には答えず、出家の気持ちは変わらないと告げ、去っていきます。
倫子さまは心穏やかではいられませんね。夫に愛されていないばかりか、娘時代から見知っていたまひろがどうやら夫の相手らしいということが、かなりはっきりしてきました。
側近の女房として彰子さまを支えてくれた恩人ともいえる、あのまひろが……一体いつからそんな関係だったのかわからないけれど、夫の心に住むのはまひろだと知った倫子さまの嘆き。なんだかお気の毒です。
出家には、道長の家族全員集合です。倫子さまは泣いているし、髪にカミソリが入ると、道長も号泣です。頼道始め、子どもたちは全員ドン引きのご様子。
やっぱり失恋すると髪を切りたくなっちゃうのかな?とM男さんに言ったら、失笑されました。でもそんなご様子の道長でした。
柄本佑さんは、髪を伸ばして地毛で髷を結い、出家シーンでは本当に剃髪をして坊主頭になるほどの力の入れようだったそうです。
まひろがはばたく!そして……まひろのモテ期再来!
乙丸を連れて、須磨や明石へ旅するまひろ。誰もいない海辺で、思わず走り出してしまいます。内裏という狭い世界のしがらみを捨てて、道長との長い関係も捨てて、自由を満喫します。
籠の鳥と飛躍、これってこのドラマで描かれ続けてきたモチーフですよね。道長との出会いも逃がした鳥を探しに行った鴨川のほとり。あの時、鳥を逃がしてやれと言ったのは道長、あなたですよ。
そしてまひろは、本当に飛び立っていきました。
大宰府へ着いたら、え?マジ?見つめあっちゃってますけど……その視線の先には周明!もしかして隆家が言っていた、腕のいい宋人の医者って、周明のことなのか?多分そうだな。
私は、ふたりが見つめあっているシーンを見て、まひろのモテ期再来とともに、常に男が切れない、まひろの魔性っぷりにあきれてしまいました。
来週の予告では、刀伊の入寇が描かれていました。大陸からやってきた海賊たちが暴れているところから、周明に手を引かれてまひろが逃げてました……やややや。まひろの持ち前の間違った好奇心がさく裂して、見に行っちゃったのかな?
刀伊の入寇の現場に、まひろがいるのはどうなんだろう?ってさすがに思ってしまいました。
赤染衛門が書きだす『栄花物語』、もうすぐ誕生
まひろに道長の栄光を書いてほしいと依頼していた倫子さま。でもまひろに断られてしまい、赤染衛門に再依頼します。
え?私が?と驚く衛門。「衛門がいいのよ」とやさしい言葉をかけてくれる倫子さま。ウソなんだけどね、最初はまひろに依頼して断られたんだけどね。
これが『栄花物語』になっていくんですね。私たちは『枕草子』『源氏物語」そして『栄花物語』の誕生を見ることができました。これってテレビドラマ史上、初めてのことでは。
今後の放送では、源氏物語オタクとして有名な、『更級日記』を書いた菅原孝標女(すがわらの たかすえのむすめ)も登場するとか。どこまでお話しが展開するのかを、固唾をのんで見守ります。最後まで!
「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……
Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!
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