何度でも通いたい!2025年、東京の選りすぐり町中華ベスト3!
誰もが大好き町中華である。昨年2024年にも東京の町中華はご紹介しているが、引き続き食べ歩きを続けていた。そして今年、2025年度も新たに町中華ベスト3をお届けしようと思う。
2024年度にご紹介した東京の町中華記事は以下より読まれたし。
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抜群の味と安定感、何を食べても素晴らしいゾ!
六本木「52(ゴニ)」
町中華屋はいくらでも町にあるが、「おー、これは旨いゾ」という店は、ほとんど稀と言って良い。
町中華は中国料理に似ているが、味付けはちょっと違う。日本で独自に発展したものなのだが、難しいジャンルだ。
今回も評判とされる店を随分と回ったが、ガッカリすることばかりだった。ここに挙げる3店は間違いないから、ぜひ行ってみてくだされ。
「52(ゴニ)」は、町中華の最高峰と言っても過言ではない。開店は夕方の6時半だから、営業は深夜まで及ぶ。
ゆえに、都内の名だたるシェフたちが店上がりにこぞってやってくることでも知られる。なぜなら、チャチャッと手際よく出てくるし、どれもこれも旨いからである。「間違いねー」ってやつだ。
5~6年前はそうでもなかったが、今や予約なしで入ることはほぼ不可能だ。遅めの時間に2人でフラッとなんて方が入りやすいかもしれぬ。
内装はコンクリートの打ちっぱなしで、アメリカンなテイスト。すっきりと小奇麗だ。早い話が、ぜんぜん町中華屋っぽくはないよな。
ハズしてはならない品目を中心に紹介していく。前菜としては、「普通のポテトサラダ」、「餃子」、「焼売」、「春巻」は食べなくてはならぬ。ポテトサラダは日本の正統的なもので、胡椒が利いていて、マヨネーズは控えめ。ジャガイモの味がしっかり目な感じ。ゆえに、口にマヨ味が残ることがなく、続く料理を阻害しない優れモノだ。
餃子と焼売は人数に合わせてくれる。4人で行って4個でも8個でも構わない。もちろん2人で10個でも!
餃子と焼売はいずれもいかにも丁寧に手作りしたもので、これで今宵のディナーを始めたら上々だ。
注文が入ってから包み始めるなんて、素晴らしいじゃないの。そういう心意気が料理に乗り移っているね。餃子は餡をゆったり目に包んでいるが焼きが上手だ。肉がみっちりした焼売がいいねえ。
この中では、春巻がいちばんのヒットかもしれない。春雨、エノキなどの具をシソの葉でくるんだ上で皮に包んだところがいい。ぎっしりと詰まった具にはしっかりと濃い味がついているから、そのままイケる。シソの葉が味を締めて、とってもいい仕事をしている。
この日は4人で12品をペロリと胃袋に収めた。それぞれが小皿で出てくる上に、油が非常に軽いから、そのぐらいは平気でいけちゃうのである。
「油淋鶏」はいわゆる一般的な中国料理のそれとはかなり趣が違う。衣が軽い軽い。というか、油をあまり吸っていないから軽いのである。この辺に技がある。
その上にゴマ油と酢の効いたネギダレがかけてあるのだが、このネギダレが旨くてさあ、白メシにぶっかけて食べたいぐらいだぞ。
「豚バラ黒酢」は逃してはならない。豚バラを片栗粉で揚げたものだが、中にクワイのようなホクホクの野菜も数個だけ混じっている。具に絡めた甘酸っぱいトロリン黒酢は、酸味と甘味のバランスがとてもいい。これなんか、余さずに皿までナメてしまいたい(笑)。
「ハラミステーキ」は食べやすいように、牛のハラミ肉の裏表に細かい包丁を当ててある。味付けは柚子胡椒と花椒粉で酸味のある醤油ダレに浸した後にグリルしてあって、これまた旨い!
他にも、「青菜と木耳と玉子の炒め」、「もやし炒め」、「白子マーボ」などを食べたが、どれも良かったぜ。
〆に頼んだのが「炒飯」と「担々麺」。炒飯は焼豚と玉子とネギというシンプルなもので、味付けは塩である。パラパラとシットリの中間ぐらいな感じで、とても軽い。いくらでもノドの奥に吸い込まれていく(笑)。
傑作なのは担々麺だね。ゴマとラー油と肉味噌の配合具合が、辛すぎず甘すぎず、しかし肉味噌の深みがちゃんとある。麺を食べ終わってから、思わずスープを飲み干してしまった。
常に満席状態なのに、料理からサーブから会計まですべてを、おっちゃんが2人でこなしているところが凄い。夜の東京ライフを豊かにしてくれる名店であることは間違いないだろう。担々麺の後で、春巻をお代わりしちまったよ(笑)。
52(ゴニ)
東京都港区六本木4-6-4 第5一越ビル2F
℡03-3402-0052
(月~金)18:30~翌1:30(L.O)
(土)18:30~翌0:00(L.O)
定休日:日曜・祝日
焼餃子(5ケ) 800円
焼売(4ケ) 800円
春巻(2本) 800円
普通のポテトサラダ 600円
豚バラ黒酢 1200円
油淋鶏 1000円
牛ハラミステーキ 1400円
ちゃんぽん、皿うどんはマストだが町中華メニューにも外れなし!
渋谷「長崎飯店」
創業は1975年と、実に息の長い店である。近くから移転してキレイな店舗になったが、値段は良心的で味も変わらない。会社帰りのおっさんたちから、若者や家族連れまで、じつに幅広いお客に支えられた店だ。
長崎飯店は都内に何軒かある。筆者は2軒しか知らないが、料理人の腕によって多少は変わる。ほかの1軒よりも渋谷店のほうが旨い。
「長崎」を名乗るからには、名物は「ちゃんぽん」と「皿うどん」である。もちろん、誰もが〆として、そのどちらかを頼む。が、それ以外のメニューも忘れてはいけない。
まずは餃子であるが、本体は小振りで大きめの羽根付きでパリッと焼かれている様子からして旨そうだ。で、餡は肉よりも野菜が多めだが凄く味がいい。こりゃ、日本的餃子を代表できるだろう。当たりだ。
次に、木須肉(ムーシーロー・豚肉卵きくらげ炒め)だが、オイスターソースの味がガツンと濃い目で、ひと口ほお張ればさらなる食欲を呼ぶ。味付けが上手いなあ。おー、白メシが食いたくなるじゃんか。
同じく、回鍋肉(ホイコーロー・焼き豚キャベツ味噌炒め)も、味噌が絡みついたロース肉は豚の旨味がたっぷりで、キャベツとピーマンはシャキシャキだ。白メシがひたすら恋しくなるような濃い味がいい。
隣のおっさんたちが食べている麻婆豆腐がいかにも旨そうだ。この豆腐のテカり具合は尋常じゃない。で、頼んだ。
これが間違いないヤツであった。やや甘く辛味が優る塩梅だが、キリッと輪郭が立っている。うむ、町中華の麻婆豆腐としては、相当な高得点がつく代物だ。いい腕しとるのお。
最後の〆は、もちろん、「ちゃんぽん」と「皿うどん」だ(って、どんだけ食うんだよ!)。先に「ちゃんぽん」が来た。白湯にタコにアサリと豚と野菜の味がミックスして、予想通りに旨い。長崎の金蝶ソースを垂らすと、味が締まってさらに旨くなる
しかし、続けて出てきた「皿うどん」に軍配は挙がる。パリパリに挙げたソバに、ちゃんぽんと同じ中身のものが餡かけで載っている。いや、このパリパリがたまらん。ビールや紹興酒の最高のお伴やんか。ここにも、カラシとソースを加えて味変すれば、また違った味がしていい。〆がカンペキやな。
長崎飯店
東京都渋谷区道玄坂1-9-1 梅山ビル1F
℡050-5593-4789
(月~金)11:00~14:30、17:10~22:00
(土)11:00~14:30
(定休日)日・祝日
焼餃子(5ケ) 700円
木須肉 1700円
回鍋肉 1700円
麻婆豆腐 1400円
ちゃんぽん 1000円
皿うどん 1000円
どれも絶品。ひと手間かける仕事の丁寧さが味に出るね。
中華厨房 らんたな
東急田園都市線三軒茶屋駅のすぐそば、ごちゃごちゃっとした一画にこの店はある。久しぶりに降り立ったが、相変わらず若者でごちゃごちゃした街だ。
もう空いているだろうと思って午後8時半ぐらいに行ったら、テーブル席は満席だ。長っ尻の客が多いのだろう。若い客は煙草を吹かしておるな。
短髪にした白髪のオヤジ一人で回している店だ。この日は掃き溜めにツルというか、なかなかキリッと小奇麗なお姉さんがサービスを担当していた。料理を運ぶ合間に生ビールをグラスでグビッと引っ掛けていたが(笑)。なかなかオツな店だ。
ところが、このオヤジ、テーブルから次々と追加注文の声がかかるのに、テキパキとこなしていくではないか。そのスピードたるやなかなかのモンだ。
さて、私は一人で入ったから、焼売3コ、肉野菜炒め、炒飯、とりあえず、これで打ち止めにした。最近、食いすぎで、胃も疲れてるし(笑)
ほどなくして来たぜ、肉野菜炒め。豚ロース、キャベツ、タマネギ、モヤシ、小松菜、ニンジン、キクラゲと、この具の種類の豊富さはなかなかじゃのお
ほほー、炒め具合というか、野菜のテカリ具合が、見るからに旨そうだ。食べた。もちろん醤油と胡椒の味だが、味は単純ではないな。妙に広がりと深さがある。キャベツがところどころ焦げたりしているのもいい。炒めに技がある。うむ、これはかなり旨いのではなかろうか。
続いて焼売が小さなセイロに入ってやってきた。なんと、下に菜っ葉が敷いてある。けっこうオヤジの仕事ぶりは丁寧だ。
そして、ゴロンとした肉とミンチ肉の配合がいい具合だ。しかも、みっちりと詰まっていて、セコくない。ガタイのいい若者が客で多いのもわかる。なんか、これまた旨いぞ。
そして、炒飯だ。焼き豚、玉子、ネギだけという極めてノーマルなものだ。パラリというよりはしっとり系に近い。いや、米の一粒一粒まで染みた味付けがいい。口に放り込む勢いが止まらんわい。
他のも食べたくて、日を改めて行ってみた。「桜エビと青菜の炒め物」は、塩気の按配がいい。エビの旨味も十分に引き出していて旨いぞ、これは。
「回鍋肉(ホイコーロー)」は、厚めの豚バラとキャベツとピーマン。このオヤジは炒め物が上手だ。キャベツはシャキッ、甜面醤がサラッとしていて、なかなかに旨い。町中華屋で、このレベルの回鍋肉を出してくれたら万々歳だろう。
「麻婆豆腐」も技が細かいんだな。餡というものがなくて、炒め物のような珍しい麻婆豆腐だ。しかし、甜面醤と豆板醤、それに豆鼓が加わり、花椒がピリリと効いている。5ミリぐらいの長さに切ったニンニクの芽も効果的だ。うむ、すかさず白飯を頼んだ
この日はお姉さんは休みだそうで、オヤジの完全なワンオペだった。「三茶で25年目。コロナ前は朝5時までやってたけど、今は11時に閉めちゃう」んだそうだ。飲んだ後の小腹メシとかにも最適だ。しかし、都心とちがって、安いな!
中華厨房 らんたな
東京都世田谷区三軒茶屋1-36-13
℡03-3422-0149
(月・火・木・金・土・日)17:00~11:00
定休日:水曜日
肉野菜炒め 980円
焼売(3個) 500円
炒飯 980円
桜エビと青菜の炒め物 1100円
回鍋肉 1000円
麻婆豆腐 1000円
「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。
筆者プロフィール
食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。
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