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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2024.11.2

東京で飲茶ランチを食べるならここ!厳選4店の巻

東京の飲茶ランチ ベスト4はこれだ!






食い倒れ編集者バッシーが選んだ東京の飲茶ランチ ベスト1は、前回ご紹介した新橋の「家全七福酒家」。 今回は、さらにお勧めの3店を一挙紹介します。












「家寳 跳龍門」
「家全七福」とは兄弟分、とびきりレベルの点心が待っている

 





「家寳 跳龍門」の総料理長は、福臨門の元総料理長だそうだ。ゆえに、前回紹介した「家全七福酒家」とは同門であり、兄弟みたいなもんだ。





で、先に言っておくと、この店もとびきりのレベルにある。いや、当店と家全七福は冠絶していると言える。





最初にお茶を選ぶ。この店のお茶の充実ぶりはなかなかのものだ。福臨門時代そのものだ。香港や広東省に残る飲茶文化から、日本では「茶」が抜け落ちてしまっているんだなあ。






元来、呼び名は「飲茶」であるからして、点心以上にお茶は大事なのである。とは言え、近年では、香港人もお茶はそっちのけで、点心をガツガツむさぼり食っているので、私もそのスタンスを踏襲する(笑)。





本日は台湾の凍頂烏龍茶にした。発酵茶であるのに、香りが爽やかで味も軽やかだ。うむ、旨い。






では、例によって、「海老入り蒸し餃子」であるが、皮の旨さ、海老のプリッとした弾力に、餡の旨さも加わり、秀逸である。香港の最高レベルって、こんな感じよね~。家全七福と同様に、注文を受けてから、餃子を包み始めるところが素晴らしい。











「大根もち焼き」はとても旨い。一人前で2個供されるが、1個は大根と細かく刻んだ腸詰、もう1個は大根と小さな干しエビと、ちょっと味を変えているところが憎い。周りはカリカリ、中の大根は柔らかく甘味が絶妙だ。硬軟を同時に味わう快楽がここにはある。ちょっと他では出会えないような代物だろう。





大根もち 大根もち




「釜焼きチャーシュー」も頼んだぜ。これも家全七福といい勝負だ。豚の旨味であふれ返っとるわ。ただし、豚の脂身はこっちのほうが多い。好き嫌いが分かれるとしたら、脂身の部分だけだね。使っている肉が、リブロースかロースかという違いかも。ほぼ赤身肉の家全七福のものとは、甲乙をつけがたい。





〆の麺は、シェフのお奨めである「煮込みイーフーメン」にしてみた。卵麺である黄色い伊府麺は、平打ちで幅が広い。具は黄ニラ、モヤシ、マッシュルームとシメジ。





それらの具を炒めてから、茹でた麺と合わせて中国醤油(老抽)とオイスターソースがメインの味付けだ。この店の名物だから食べてみた。柔らかいツユなし麺で、麺自体がツユをしっかりと吸い込んでいて旨い。そこに、シャキシャキの黄ニラとモヤシとシメジの味わいが加わる。個人的には、炒めた「香港焼きそば」のほうが好きかもしれない。






この店はメニューが豊富で、まさに香港の福臨門や家全七福のそれを想起させる。試してはいないが、トリュフやキャビアを積極的に使った前菜もあったりして、なかなかチャレンジしているところに面白みを感じた。






ランチコースはいくつかあるので、昼から店の名物をちょいちょい食べる分には、アラカルトで頼むよりも全般的に楽しめるかもね。






目ン玉が飛び出るような単品の高額メニュー(干しアワビ、フカヒレ、魚(ニベ)の浮袋、佛跳牆など)もあるよ。香港と比べるとかなり値は張るが(昨今は円安だから同等かも)、味はほぼ同じなはずだ。






「家寳 跳龍門」外観 「家寳 跳龍門」外観

「家寳 跳龍門」

東京都中央区銀座6-10-1 銀座シックス6F

℡03-6264-5688

11:00~16:00、17:30~23:00

定休日:不定休

海老入り蒸し餃子 680円

大根もち焼き 680円

釜焼きチャーシュー(4切れ) 2420円

煮込みイーフーメン 2200円

飲茶ランチコース  6600円

おすすめランチコース  8800円






「赤坂離宮」
香港からの上陸じゃない、日本由来では一番の実力店






「赤坂離宮 銀座店」のほうで、アラカルトで旨いもんだけを贅沢に選んで食べたことがあったが、とてもとても旨かった。しかも、内容に比したら高くはないネーという感想を持った。本場香港でもやっていけるんとちゃうかな。






赤坂離宮はあの周富徳氏(懐かしい!)が総料理長を務めていた時代もあったが、彼は独立してから、いろいろと週刊誌を賑わすことも多かった人(笑)。それは余談だが、この店が世評高いのは、オーナーシェフの譚彦彬氏がいまあるレベルまで引き上げたからである。






今回は赤坂の本店だ。近所にTBSに博報堂もあるから、日によっては予約で一杯のこともある。電話なら一人でも予約可なので、そのほうが無難だ。





茶は9種類。大好きな台湾の阿里山高山茶にした。とても清々しく透き通った味のお茶だ。

 






点心はもちろん単品で頼むことができるが、ランチには「平日飲茶」のコースがあるので、それにしてみた。点心としては、蒸し点心2種、揚げ点心2種、小籠包が出てくる。






最初に「海老蒸し餃子」と「とび子のせ海老焼売」。海老がプリップリなのは当たり前で、どちらとも普通に旨い。






揚げ物は、「揚げ餅」と「大根パイ」だ。驚くべきはこっちのほうだ。揚げ餅の中身は、肉の餡や椎茸で、餅と言うからには外側はそれなのだが、具と一緒に食った日にはその旨さにたまげるで。大根パイは、大根餅の餅以外の部分をパイ包みにして揚げたものだ。ヒダが実に美しい。このパイのサクサクさが実に素晴らしい。総料理長のスペシャリテと称するだけのことはある。











こりゃ凄えやとコーフンした矢先、「上海スープ入り小籠包」でちょっと気持ちが萎えた。まず、ヒダの包み方が甘い。本来なら、キレイに12本の螺旋になるんじゃなかったかな? そんでちと蒸しすぎたようで、ヒダは崩れ、底が金具にへばりついているから持ち上げたら破れた。これは失敗作でしょー。破れるのはアカンよー。






まー、この日の点心担当者がヘタクソなのかもしれんが、金属の受け皿がダメなのかもしれんな。破れるのならば、白菜とか敷くべきと思うが。






ガーリックの野菜炒めが出てきて、最後に「肉饅頭」「蓮の葉包みご飯」「海老と干し貝柱お粥」から一つを選ぶのだが、粥を選ぶ日本人は少ないんだよね。日本人はほぼ粥を頼むことはないが、これは胃にも優しいし、私はめちゃ推しますけどね。






ここの粥はすこぶる旨いねー。なんとも言えん鶏の出汁の塩梅に、ほぐれた貝柱が少々、小海老が10個ほど入っていた。米はかなりトロトロになるまで煮込んである。これで気分は元に戻った。











なにしろ「赤坂離宮」も、乾物などの高級食材を使ったメニューで知られる店であるから、大勢で来てそういうものを是非とも味わってほしい。「仔豚の丸焼き」、1頭72600円なんてのもあるぜ!






赤坂離宮 赤坂離宮

赤坂離宮 赤坂本店

東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワーatrium2F

℡03-5570-9323

(平日・土)11:30~14:00、17:30~21:00

(日・祝)11:30~16:00、16:00~20:00

平日飲茶 4840円






「ヤウメイ」
立地良し、サービス良し。
味は最上級ではないが、雰囲気ってことで





天井は高く、若いスタッフがきびきびと明るく動いている。外国人スタッフも多いから、まー、香港かシンガポールの空間に瞬間移動したかのような気になってくる。みんな親切で手際が良いし、とても気持ちのいい店だ。





最初に断っておくと、この店は味というよりは、雰囲気やサービスの総合的観点から選んだ。だから、味で言うと、紹介した中では、家全七福≧跳龍門>赤坂離宮>ヤウメイ、という不等式ができる。純粋に味だけで言うと、ヤウメイよりも「添好運」のほうが旨いかもしれん。






ヤウメイは、ロンドンなどで活躍するレストランクリエーター、アラン・ヤウ氏によるプロデュースだそうだ。店作りが上手い人だねえ。






昼の飲茶が有名だが、お茶は24種類もある。あまり発酵させていないほうの鉄観音(安渓鉄観音 清香)にした。香り豊かで爽やかで、なかなか良い。






一人で入店した。フロアのマネジャーの黒服兄ちゃんは接客が抜群だ。「点心は、3種盛りがあります」と教えてくれるから、「海老蒸餃子」、「帆立焼売」、「豆苗と海老の蒸餃子」の3個が入ったものと、例によって「大根餅」を選んだ。










珍しく付けダレが3種も出てきた。香港などでは、付けダレが出てくることはまずない。醤油も酢もカラシも置いていない。せいぜい豆板醤が置いてあるくらいだ(そもそも点心に味付けしてあるってことだ)。





だが、この店は凝っている。北海道の鮭の魚醬とごま油、自家製XO醤ベースのチリソース、豆板醤ベースのチリソースである。嘗めてみると3つとも旨い。特に、豆板醤のものが味が深くていい。こういうやり方は日本人や欧米人にはいいかもね。






海老蒸餃子は海老がプリンとしていて味が深い。帆立焼売は、上に載ったトビコがプチプチ、ホタテがパツンとしていい。豆苗と海老の蒸餃子は大したことはない。






続いて、「大根餅」は、そうねえ、ごく普通のヤツ。中身はグズグズで、もっと表面をカリッと焼いたほうが良いと思うけど。点心の実力は、先の2軒とは比べるべくもない感じ。






点心はこのぐらいにして、「広東白菜のガーリック炒め」を頼んだ。中国人はこの茎の部分のシャリシャリが大好きなんだ。緑の葉っぱはないに等しいでしょ。塩とガーリック味で、ずっとシャリシャリしているところが良い。が、飽きてくるから、さっきの3種のソースに付けたら抜群に旨くなる。特に豆板醤ソースが合う。料理自体の量はケチくせえけどな(笑)。











〆は「ピータンと豚肉のお粥」である。私は中華粥に目がない。まあ、大抵の店で失敗することはまずない。アワビ粥も相当に旨いが、ピータンと豚の粥もけっこう好きだ。出汁は鶏で取っていて、鶏肉がいい具合にほぐれて混じっている中に、細かい豚肉と細かく切ったピータン、それと千切りにした生姜がピリッと効くところがいいんだよねえ。米をもう少し煮込んだほうがさらに良くなると思うが。




大人数で来て、高額メニューをシェアするのもいいだろう。アルコールはものすごく充実している。場所代と人件費が料金に乗っているから、かなり割高感はある。量も少ない。そういうことを気にしない人が行く店なのかもね。




ヤウメイ外観 ヤウメイ外観

ヤウメイ

東京都千代田区丸の内

℡03-6269-9818

月~金:11:15~15:00、17:00~22:00

土日祝:11:00~22:00

定休日:元旦、法定点検日

安渓鉄観音   1560円

海老蒸餃子(2個) 1100円

帆立焼売(2個)  1600円

大根餅(2個)   1300円

広東白菜ガーリック炒め 2300円

ピータンと豚肉のお粥  1800円











































「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは

うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。



筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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