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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2026.4.15

ビーフシチューでドゥミグラスソースの魔力に溺れてみる。東京のベスト3軒はここだ!

ビーフシチューでドゥミグラスソースの魔力に溺れてみる

 

ビーフシチューはフランス料理の牛肉の赤ワイン煮みたいなもんだ。がっつり肉を食う感じ。今回も東京を代表する名店を訪ねた。「ぽん多 本家」、「レストラン香味屋」、「たいめいけん」の3軒である。






人はホロリと崩れる牛肉と、甘く濃厚で褐色のドゥミグラスソースが時に恋しくなるものだ。表記は英語のデミグラスよりもフランス語のドゥミグラス(demi-glace)が気分だね。「半分まで煮詰めた」という意味だ。

今回の3軒は、いずれもすでに別のメニューでこの連載に登場していて、つまりは洋食の名店ってことになる。






都下でNo. 1は「ぽん多 本店」で決まりですな

 

東京随一のフライの店だ。カツレツは都下でナンバーワンだろう。キスもイカもホタテもカキも格別に素晴らしいが、裏メニューとして知られるのが、「タンシチュー」と「ビーフシチュー」だ。






タンシチューは出来上がるまでに3週間を要する唯一無二の代物で、いつもあるとは限らない。ビーフシチューもそれに準ずる丁寧さで作られている。上質な黒毛和牛を使っているそうだ。

牛肉が柔らかい!なんていうのは当たり前のことで、なにしろ素晴らしいのはドゥミグラスソースだ。思わず、「こりゃあ、東京一旨えぞ!」と叫びたくなるような味だ(値段も飛び切りだから、そこは気をつけてね)。






「ぽん多」のビーフシチュー 「ぽん多」のビーフシチュー

「ぽん多」のビーフシチュー






とても濃厚なソースなんだが、3軒中もっとも濃密だ。味の濃さと密度が違うのである。舌上でなめらかに溶けてゆき、深さの深淵に連れていかれるような体験だ。添えてあるのはジャガイモと厚手のシイタケで、これまた良い塩梅である。






理想的なオーダーの仕方は、4人ぐらいで来店して、揚げ物を4種類ぐらい食べた後で、ビーフシチューにとりかかる流れだ。

揚げ物の幸せにすっかり浸ったあとで、濃厚なドゥミグラスソースで大団円を迎える。ソースは残さず白米の上に垂らして、ハヤシライスのようにして食べるのが正解だ。

 

果たして、これ以上の幸福感をもたらしてくれる晩ご飯があるのだろうか。







「ぽん多」の入口 「ぽん多」の入口

「ぽん多」の重厚な入口

ぽん多 本店

東京都台東区上野3-23-3
℡050-5492-8353
火~土:11:00~14:00、16:30~20:20
日・祝日:11:00~14:00、16:00~20:20
定休日:月曜
ビーフシチュー  7150円






何もかもが素晴らしい店
「レストラン香味屋」で食べるシアワセ

 

いつ来ても清々しい気持ちになれる、総合的に見て、東京で最高の洋食店である。

黒服に蝶ネクタイの給仕さんの出迎えと、白い壁面上に映えるベルナール・ビュフェのリトグラフを見ただけで、「おおー、またしても香味屋に来ちゃったもんね」の気分になる。






この店の素晴らしさは、何と言っても通し営業で昼休みがないことだ。予約で混みあう昼時とディナータイムを避ければ、いつでも最高の皿にありつけるのである。

オムライス、メンチカツ、ポークソテー、ポークカツ、グラタン、ナポリタン……すべてのメニューがトップクラスで旨い。おまけに、黒服のサービスマン(レディ)の接客が実に甲斐甲斐しい。






筆者が最初に訪れたのは40年以上も前で、まだ学生をしておった。唖然とするほどの味に魅了され、それ以来のファンである。

 

 

ビーフシチューももちろん素晴らしい。半日煮込んだビーフは、繊維がほろほろと崩れ、当然のごとくドゥミグラスソースをたっぷりと吸い込んでいる。このソースがいい。味は深いが、どちらかと言うとあっさり系に寄っているかもしれない。






「香味屋」のビーフシチュー 「香味屋」のビーフシチュー

「香味屋」のビーフシチュー






添えられたニンジンのグラッセはニンジンの甘味がするだけではなく味が濃い。ブロッコリーは固ゆで、ジャガイモのグラタンもいい脇役だ。艶光りする銀シャリが見事だ。その旨味はビーフシチューの旨さを倍加させるのだった。

今回は頼んじゃいないが、メンチカツとビーフシチュー盛合せとか、メンチカツとタンシチュー盛合せとかもある。きわめてソソられるメニューではないか。






レストラン「香味屋」の入口 レストラン「香味屋」の入口

レストラン「香味屋」の入口

レストラン香味屋

東京都台東区根岸3-18-18

℡03-3873-2116

月・火・金・土・日・祝・祝前日・祝後日:11:30~21:00

定休日:水・木

ビーフシチュー  4200円

メンチカツとビーフシチュー盛合せ

4000円

メンチカツとタンシチュー盛合せ

4600円






洋食って楽しいよな、を実感できるのが
「たいめいけん」である

 

この店のビーフシチューも有名だ。日サロで黒々と焼けたあの茂出木シェフの店だ。一見、チャラい店かと思う向きもあるかもしれないが、料理に真剣に向き合った店である。






店は1Fと2Fに分かれている。1 Fは庶民的に賑わう雰囲気。2Fは茂出木シェフが腕を奮うが、ちょいと値段も上がり高級になる。今回は1Fにしてみた。

 

オムライス、ナポリタン、カレーライスからラーメンまで何でもあるし、何でもイケてる。チキンライスの上に載ったオムレツをパカッと開くタンポポオムライス(伊丹十三風)なんかも有名だよね。






ランチに訪ねると、開店の30分後にはもう満席だ。銘々が実に楽しそうだ。みんな、「コールスロー(天下一品)」を頼むのを忘れない。長い間50円だったが、値段を上げてからもずっと100円を変えないのだから。






さて、ビーフシチューであるが、正統的な佇まいで、構成は香味屋のものとまったく同じである。ポテトがこちらはフライであるところが違うだけだ。

 

ドゥミグラスソースは、この3軒の中ではいちばん酸味が強い。とは言え、甘味も苦味も相応にあり、深い味わいに引き込まれる。肉はもちろんホロホロである。

「たいめいけん」のビーフシチュー 「たいめいけん」のビーフシチュー

「たいめいけん」のビーフシチュー






あくまでも比較の問題だが、ニンジンのグラッセは芯がやや硬く甘みも弱い。フライドポテトも、ちと揚げすぎかねえ。この辺が、完全無欠の香味屋に較べると一歩だけ及ばない部分かもしれないね(エラそうで、すんません)。






ワシはアホなので、通常はライスが付いてくるのだが、代わりにケチャップのかかったオムライスにした。すると、オムライスをケチャップをつけて食べたり、ドゥミグラスソースで食べたり出来るから、二倍楽しめるのだ。お勧めする。

「たいめいけん」の入口 「たいめいけん」の入口

「たいめいけん」の入口

たいめいけん

東京都中央区日本橋室町1-8-6

℡03-3271-2463

(1F)

火~土:11:00~21:00、日・祝:11:00~20:00

(2F)

11:30~15:00、17:00~21:00

定休日:(1F)月曜、(2F)日・月

ビーフシチュー(ライス付き) 3500円

オムライス  2100円






今回紹介したのは3軒だけだが、「煉瓦亭」(銀座)と「旬香亭」(目白)も、「たいめいけん」と同等の店としてお勧めしておきたい。




「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは

 

うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。



筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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