「アルデバラン」「アルデバラン」

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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2024.8.25

日本一のハンバーガー屋・麻布十番「アルデバラン」には別格のバーガー体験が待っているの巻

東京一?日本一?の、麻布十番のハンバーガー屋「アルデバラン」に行ってきたゾ



多くのハンバーガーファンが東京一、否、日本一と称えてやまないのが「アルデバラン」である。高名なフーディーたちが、別格の店として絶賛するのもここだ。今回、様々な店を試したが、確かにこの店のバーガーは、頭一つも二つも抜けている。

 

 

 

そう、今回はみんな大好きハンバーガーである。この10年ぐらいかな、東京のバーガーは異常な進歩を遂げた。グルメバーガーというジャンルのもので、値段も1500~2500円ぐらいですかね。いわゆるチェーン店のそれとは、形は同じでも、肉もパンもまったく別種の食べ物と言っていい。






「アルデバラン」は麻布十番の雑居ビルの3Fにある。元は六本木ヒルズのすぐ横で営業していて、そこが閉店した時には多くのファンが涙した。そして、閉店の2カ月後に麻布十番でパワーアップして再開したのだ。扉を開くと、シックなバーのごとき設えに驚くだろう。

 

 

 

なにしろバーガー店としては、完全予約制であることが珍しい。時間を決めたら、到着5分前に焼き始めるから、遅刻は許されない。気難しい店かと身構えるところだが、その心配はいらなかった。スタッフはきわめてフレンドリーだ。







最初にハンバーガーについて私論を述べておきたい。そもそもハンバーガーって、アメリカ版おにぎりみたいなもんで、バンスとパティがあって、そこにトマト、玉ねぎ、レタス、ピクルスぐらいを挟むのが基本だろう。ソースやマヨネーズの味付けも含まれる。

 

 

ってことは、それだけで旨さが決まる食べ物であり、ガバチョと一口でそれらの要素を混ぜて味わうことにこそ最大の意味がある。熱いものと冷たいものを一緒に味わうってことだね。つまり、分解しないと口に入らないほど巨大なハンバーガーってのは、自己否定もいいところだってことを言いたいわけね。

 

 

もちろん、その基本形に、ベーコンだの、チーズだの、アボカドやマッシュルームが増えたとしても、ひと噛みで口に収まらなければなるめえと、筆者は思う。





店イチオシの「リアルバラン」を実食したぜ





実食である。店がイチオシする「リアルバラン」にしてみた。これは、てりやきソースを用い、エッグ、ローストオニオン、チェダーチーズという構成だ。漏れなく、コーンスローとフレンチフライがついてくる。

 

 

 

バーガーの焼き上がりの頃合いを見計らって、「小っせー」と小言こぼしたくなるようなコーンスローが出てくる。千切りキャベツのタイプで、小さなベーコンが入っていて、味はなかなかいい。この2倍の量ぐらいは食べたいけどね。千切りだから、実は容器からこぼれやすくて食いにくいのが玉に瑕。続いて、揚げたてのフレンチフライだが、サクッとした衣に覆われていて、アツアツで非常に旨い。単品で、オニオンリングやミノタウロスポテト、ポテトもちカマンベールなどもある。




店がイチオシする「リアルバラン」 店がイチオシする「リアルバラン」

店がイチオシする「リアルバラン」




肝心のバーガーは、まず、見た目がカンペキでしょう。いや、堂々たるもんだ。バンスは揚げパンのように周囲はカリッとしている。半熟の目玉焼きとチーズがトロリと垂れているところがいい。これに一口でかぶりつく。

 

 

なんじゃこりゃーと独り言ちるほど、旨味にアタックされる。和牛のパティも周囲はカリカリになるまで焼かれていて、中はミディアムレアでややピンクだ。



肉は塊肉を自家で処理しているはず。かなり荒くカットしているから、とても肉々しく脂身もけっこうある。かすかにクミンの味もする。ローストした飴色のオニオンの甘味がもの凄くいい仕事をしている。それが味の奥行きを出すのだ。甘すぎないテリヤキソースがばっちりだ。

 

 

バンス、和牛のパティ、エッグ、ローストオニオン、チェダーチーズ、この5者が口の中で一体化する様は、思わず、おおーッとうめいてしまうほど見事だ。チーズの絡み具合が柔らかく、味が強すぎないところがいい。ひとつの料理と言ってもいいぐらいの完成度かもしれぬ。これは人生に一度は必ず食べておくべき種類の逸品だろう。日本一と評されるのも理解できる。

 

 

口直しに出てくる麦茶が、ブドウのフレイバーがして不思議だ。口中が爽やかになる。






2個目は「素朴(塩こしょう)」を。軽めだと思うでしょう? 結構ズッシリ!




他のも試したくなるではないか。アルデバランと言えば、チーズが絡むメニューが本道だが、再開するに当たって、チーズ無しバーガーってもんを考案したらしい。

 

 

2個目だから軽くしようと思って、「素朴(塩こしょう)」ってのを頼んでみた。レタス、トマト、レリッシュ、刻んだ生玉ねぎというシンプル構成だ。これがね、あまり軽くはなかった(笑)。ズッシリと分厚すぎて一人では包み紙に移せないほどだ。そしたら、親切なお姉さんが、ワシッと掴んで私が待ち受けるシートに入れてくれた。



「素朴(塩こしょう)」 「素朴(塩こしょう)」

「素朴(塩こしょう)」っていうから、軽めなものを想像していたら違った。




肝心の味なんですがね、「リアルバラン」の完成度から比べると、なんかいま一つだったなあ。パティの出来具合がバーガーってもののかなりの部分を決定づけるのだろうが、カリカリに焼いた粗切りのパティが裏目に出たのかな? ミンチ肉のほうがいいのでは? コショウとクミンだけの味がいまひとつなのかも?

 

 

逆に言えば、これには使われていないつなぎのてりやきソースが、異常に旨いのだともいえる。レタスやトマトと、パティとの相性もあまり良くないように感じた。つまり、一体化した食べ物として詰めが甘いかも。


やっぱり、店が自信をもって薦めているバーガーを食べるのが一番やね。次回はBBQソースのリアルバランを試してみたい。

 

 

帰り際、床が油でネトっとしていて少し滑りそうなのがちと気になったな。






アデルバラン

東京都港区麻布十番3-3-1

℡03-6459-4888

完全予約制

営業日:火・水・木・金・土11:00~21:00、日11:00~20:00

定休日:月

 

てりやきソース リアルバラン  2,250円

チーズ無しバーガー 素朴(塩こしょう) 2,350円

 






「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは

うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。



筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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