すでに日本のファインダイニング・シーンではしばしば見かけるようになったのがハイグレードな日本酒「IWA5」である。6年目になる「IWA 5 アッサンブラージュ6」が完成し、そのお披露目会が開催された。
ドン ペリニヨンから日本酒へ
「IWA 5」が世界的な注目を浴びた理由は、創立者がリシャール・ジョフロワ氏だということにある。
彼はドン ペリニヨンの5代目醸造最高責任者として、28年間にわたって伝説のメゾンを率いたレジェンドだ。メゾンを去った彼が次に目指したのは、魅せられてやまない日本酒を擁する日本だ。世界基準の新しい日本酒を造るためだった――。
さて、会場は、10月に新規オープンした「ギンザ サファイア ラウンジ」である。このエクスクルーシブなラウンジの目玉は、パリにあるミシュラン1つ星フレンチの「L’ARCHESTE(ラルケスト)」でスーシェフを務めた佐藤健志氏が腕を奮うフレンチフュージョン料理だ。
当日は、彼の料理を、「アッサンブラージュ6」、「アッサンブラージュ5」、「アッサンブラージュ4」、「アッサンブラージュ2」によって年代を遡って試すという、世にも珍しい日本酒による垂直ペアリングを提供するというのだ。
ちなみに、アッサンブラージュとはブレンドを意味するフランス語である。
「甘鯛うろこ焼き 柚子ブールブランソース」にはさらなる熟成を経た酒「アッサンブラージュ5」を合わせた。
アッサンブラージュと熟成が生み出す至高の味わい
最初にサーブされたのは「鯛カルパッチョ」と「アッサンブラージュ6」だ。「タンニンが感じられるが、バランスが良く複雑味に富んでいます」(ジョフロワ氏)。
確かに、「IWA 5」が持つ甘み、苦味、酸味、スパイス、旨味によって、梅とバルサミコ酢で味付けされたカルパッチョは、口中で融合し、さらに奥深く開いて行った。
続いたのは、「甘鯛うろこ焼き 柚子ブールブランソース」と「アッサンブラージュ5」である。すべての「IWA 5」は、完璧な調和と深みを追求するジョフロワ氏の巧みなアッサンブラージュを経て、16カ月以上にわたり瓶内熟成されてから発売される。つまり、1年前に発売された「アッサンブラージュ5」は、すでに2年半の熟成を経ているのだ。「輝きが抑えられ、ダークな感じになっている。しかし、時間が経ったので丸みが出ています。まるでブルゴーニュのようですね」(ジョフロワ氏)。
彼が指摘する通り、確かにまろやかで柔らかい。マイルドでありながら芳醇なアロマは、甘鯛のうろこの薫香やブールブランソースをさらなる高みに引き上げた。
創立者のリシャール・ジョフロワ氏は、ドン ペリニヨンの5代目醸造最高責任者だった。
進化し続ける純米大吟醸
そもそもの「IWA 5」の出発点に話を戻すと、日本を目指したジョフロワ氏が選んだ土地は、霊峰・立山を仰ぎ見る富山県立山である。なぜかと言うと、1893年創業の桝田酒造店の桝田隆一郎氏との出会いがあったからだ。そこには、2人を繋いだのは建築家の隈研吾氏であるというエピソードもついている。
ジョフロワ氏が桝田氏の協力のもと立ち上げたのが酒蔵「白岩」で、アッサンブラージュ(ブレンド)という日本酒にとっては新たな手法を用いて、革新的な日本酒造りのプロジェクトが始動するのである。
ジョフロワ氏によれば、「4、5、6の違いは年度の違いがあるのは当然のこととして、それぞれにブレンドするアイテムが違う」という。つまり、「IWA 5」は進化し続ける純米大吟醸なのである。
「IWA 5 アッサンブラージュ6」は、公式ウェブショップ
および専門店にて10月1日より販売され(720㎖ 15,730円 税込)、また厳選されたレストランやホテルにて提供される。
Profile
石橋俊澄 Toshizumi Ishibashi
「クレア・トラベラー」「クレア」の元編集長。
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