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編集部&PJフレンズのブログ

2025.4.17

美味しいものは地方にあり。三重×石川のコラボレーションランチに舌鼓










名古屋から近鉄特急に乗り、三重県鈴鹿市にある1869年創業の清水清三郎商店で開催された『eaufea(オーフ)×Champagne Hathyr(シャンパーニュ・アティール)×ZAKU×ソムリエ進藤幸紘』の特別企画ランチイベントに参加させていただいた。錚々たる面々の競演の様子を少しだけ紹介する。




今回の主催である清水清三郎商店は2016年開催の「G7伊勢志摩サミット」で乾杯酒に選ばれた人気酒『作(ざく)ZAKU』の蔵元である。鈴鹿は、かつて「味酒鈴鹿国(うまさすずかのくに)」と呼ばれるほど酒造業が盛んな地域であった。それは鈴鹿山脈の清冽な伏流水、伊勢平野で育つ良質な米に恵まれ、さらに運搬に便利な港町という酒造りに最適な条件を満たしていたからだろう。しかし残念ながら、この地域に残る酒蔵は清水清三郎商店だけだと聞く




清水清三郎商店の玄関口。2019年に創業150周年を迎えて、工場や事務所を新築。 清水清三郎商店の玄関口。2019年に創業150周年を迎えて、工場や事務所を新築。


伊勢湾に面した酒蔵であり、伊勢神宮との関係も深い。 伊勢湾に面した酒蔵であり、伊勢神宮との関係も深い。

伊勢湾に面した酒蔵であり、伊勢神宮との関係も深い。




作 作

『作』シリーズは、数種の異なる酵母や製法を変えることで、多様な種類がある。世界のさまざまなコンペティションでも受賞をしている、銘酒。





料理を担当したのは、若手シェフとして注目を集めている、石川県小松市で「Auberge “eaufeu”(オーベルジュ オーフ)」を営む、糸井章太氏。京都府出身の糸井氏は、国内外の三ツ星レストランで経験を積み、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」において、史上最年少の26歳でグランプリを獲得。翌年にはフォーブス「30 UNDER 30 Asia」でアーティスト部門に選出されるなど、新進気鋭の若手シェフとして注目されている人物だ。オーフの糸井シェフの噂は私も耳にしていたので、今回その料理がいただけることを楽しみにしていた。






清水清三郎商店から近い海岸で。右から二番目がオーフの糸井章太シェフ。その左隣がソムリエ進藤幸紘氏。 清水清三郎商店から近い海岸で。右から二番目がオーフの糸井章太シェフ。その左隣がソムリエ進藤幸紘氏。

清水清三郎商店から近い海岸で。右から二番目がオーフの糸井章太シェフ。その左隣がソムリエ進藤幸紘氏。




『牡蠣、湯葉、発酵大根、トマトの三杯酢ジュレ、葉わさび』三重県の牡蠣を使って、潮の香りの中に酸味や辛味が絶妙なハーモニーを作り出す。




『アティ』ブランドの当主であるモニカ・マリニ氏。 『アティ』ブランドの当主であるモニカ・マリニ氏。

『アティ』ブランドの当主であるモニカ・マリニ氏。




乾杯酒『アティ キュヴェカペラ ブラン・ド・ブラン』。日本では田崎真也氏が輸入している。 乾杯酒『アティ キュヴェカペラ ブラン・ド・ブラン』。日本では田崎真也氏が輸入している。

乾杯酒『アティ キュヴェカペラ ブラン・ド・ブラン』。日本では田崎真也氏が輸入している。







乾杯酒に選ばれた『アティ キュヴェカペラ ブラン・ド・ブラン』は、当主モニカ・マリニ氏が、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ブラズルの畑を叔父から受け継ぐため、アヴィーズの専門学校でシャンパーニュの製法からマーケティングまで全ての知識を習得し、10年の歳月をかけて作り上げた『アティ』ブランドのシャンパンである。

 

当日参加していたモニカ・マリニ氏は、日本酒はワインやシャンパンと同じで、歴史と伝統を守りながらつくられている。日本酒はワインと同じ食中酒であり、今後も凝らびレーションをしていきたいと語ってくれた。





そして当日、ソムリエを務めたのは進藤幸紘氏。麻布界隈にいくつものレストランを営む経営者である進藤氏が料理に合わせてセレクトした、シャンパンと『作』シリーズ。この日は特別にシャンパンと日本酒を混ぜるという試みも。『作』のフルーティーな味わいと香りが、シャンパンの華やかさとマッチして、新たな味わいに皆歓声をあげた。






特別ランチと日本酒とシャンパンのペアリングを紹介する。

 

「粕汁 蕗の薹」×Hathyr Blanc de blanc
「トマト麹、イノシシハム、発酵キャベツ、桜鯛からすみ寿司」×作 FLINT
「牡蠣、湯葉、発酵大根、トマト三杯酢ジュレ、葉わさび」×作 岡山朝日米
「椎茸 麹ソース、キノコ醤油、実山椒」×作 岡山朝日米
「オーフ巻き、タコス」×Hathyr Brut
「鱸、葱、ピルピルソース」×作 槐山一滴水
「作豚、木の芽、ジュドビアント」×作 インプレッションN
「いちご、酒粕アイス、メレンゲ」×Hathyr Rosé
「チョコレート チーズケーキ」×作 凝縮H




フルコースに合わせてセレクトされたシャンパンや日本酒の数々。 フルコースに合わせてセレクトされたシャンパンや日本酒の数々。

フルコースに合わせてセレクトされたシャンパンや日本酒の数々。





『粕汁 蕗の薹』一足先に春を味わう贅沢。 『粕汁 蕗の薹』一足先に春を味わう贅沢。

『粕汁 蕗の薹』一足先に春を味わう。ほんのりとした苦みが軽やかな味わいに。




『椎茸 麹ソース、キノコ醤油、実山椒』 『椎茸 麹ソース、キノコ醤油、実山椒』

『椎茸 麹ソース、キノコ醤油、実山椒』オーフの裏山で採れた実山椒を使って、椎茸がここまで美味しくなることに、ただ感動する。



『作豚、木の芽、ジュドビアント』 『作豚、木の芽、ジュドビアント』

『作豚、木の芽、ジュドビアント』三重県を代表するブランド豚『さくらポーク』に、清水清三郎商店の『作』の酒粕を与えて飼育した作豚を使った一皿。甘みと旨味が強く、脂も大変軽く抜群の味わい。





『いちご、酒粕アイス、メレンゲ』ちょうどよい甘さにいちごの酸味がマッチ。これは何皿でも食べられる。 『いちご、酒粕アイス、メレンゲ』ちょうどよい甘さにいちごの酸味がマッチ。これは何皿でも食べられる。

『いちご、酒粕アイス、メレンゲ』ちょうどよい甘さにいちごの酸味がマッチ。これは何皿でも食べられる。




メニューからもわかるように、糸井シェフの料理は旬の食材が際立たせる丁寧な仕事が素晴らしい。実際、石川県小松市の「オーベルジュ オーフ」でも近隣で摘んだ食材を、隣りの酒蔵「農口尚彦研究所」の仕込み水や酒粕を使って、素材の味わいを存分に引き出してフランス料理へ昇華させている。
今回は三重県の食材を使い、清水清三郎商店の酒粕や麹を使って最高の料理と日本酒のマリアージュをつくりあげた。
「酒蔵ごとに酒粕などの味わいや香りは全く違います。三重の旬の食材と『作』の特徴をうまく組み合わせることを目指して料理を作りました」と語ってくれた。

 

 

清水清三郎商店では今回のようなイベントを、世界中からシェフを招いて年に数回行っている。その理由を清水清三郎商店の社長、清水慎一郎氏に聞いてみた





三重県酒造組合の会長でもある清水社長は、三重県のPR活動も積極的に行っている。 三重県酒造組合の会長でもある清水社長は、三重県のPR活動も積極的に行っている。

三重県酒造組合の会長でもある清水社長は、三重県のPR活動も積極的に行っている。




「日本酒の価値がいつ生まれるのかを考えてみました。それは蔵元が日本酒を完成させたときではなく、飲み手が日本酒を口に含んだ瞬間なのだと思います。蔵元ができることは2~3割、小売店や料理があって、はじめて日本酒の価値が生まれます」。

日本酒の輸出量は拡大してはいるとは言うが、食中酒としてどう提案できるかが重要であり、その検証の一環がこのイベントなのだと言う。

「海外のレストランのワインリストに日本酒のページが定着させたいと考えています。そのためには、シャンパンで乾杯して食中酒として白ワイン、日本酒、赤ワインを行ったり来たりできるのか。日本酒の後に、ワインを味わえるのか、これがポイントになります」とも語る。

また清水社長は「三重県は伊勢エビや松坂牛、鳥羽市国崎(くざき)のあわびなど、豊富な食材のある『美し国(うましくに)』と呼ばれるところです。これからは『美食の聖地 三重の酒』を掲げて、日本酒とともに三重県の魅力も広めたいですね」。




日本の食文化を支えてきた蔵元は、これからは街の文化をつくる、ローカルガストロミーの中心となる。実際、蔵元が中心となってフーディーたちを集める試みを行っている地方はいくつかある。清水社長は「私はそこまではできませんが」と語りながら、世界のワイナリーを巡って、お客様のおもてなし方を学び、世界のレストランを訪ねるなど、蔵元の役割の幅について頭を巡らせている様子だ。

 

日本には美味しいものがまだまだたくさんある。
美味しいものを訪ねる旅に出かける、それは最高に贅沢な時間になるはずだ。

清水清三郎商店
三重県鈴鹿市若松東3‐9‐33
※蔵見学および小売りはしていません。

 

オーベルジュ オーフ
石川県小松市観音下町口48

谷口優子 谷口優子

谷口優子 Yuko Taniguchi

Premium Japan編集部スタッフ
目指せポジティブエイジング。ゴルフにハマり中!

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