紅花の赤にクチナシの黄を掛け合わせた、やや黄味よりのあたたかみを感じる濃い赤色。退色しやすい色であったため、『万葉集』の大伴坂上郎女の歌では「思はじと言いひてしものを朱華色のうつろひやすき吾が心かも」と、移ろいやすい心にかけて歌が詠まれています。朱華は「唐棣」「棠棣」「翼酢」といった字が当てられることもありました。
朱華 = はねず
小野小町ゆかりの地である京都・随心院では、毎年3月にはねず色の衣装を着て踊る「はねず踊り」が開催されます。「朱華」は、はねずと読みます。
DIC-N961/朱華(はねず)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊
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