日本の伝統色「鉛丹色」とは……
酸化鉛による鮮やかな橙色をしている伝統色が鉛丹色。この顔料は、鉛に硫黄と硝石を加えて焼成して作られます。また、色名にある「丹」は「赤い土」を意味し、古代から使用されていた赤い顔料には、酸化鉛のほかにも酸化鉄や硫化水銀などが含まれています。
古代中国の『三国志』には、景初2年(238年)に卑弥呼の使者が古代中国の魏から「鉛丹五十斤」を持ち帰ったことが記されています。この記述から、鉛丹が古代以前から日本に伝わっていたことがうかがえます。
鉛丹色 = えんたんいろ
鉛丹色は、鮮やかな橙色をしていたため、建築や装飾に広く用いられた色としても有名です。また、その耐久性と防錆効果から、橋や鉄製品の塗装にもよく利用されていました。「鉛丹色」は、えんたんいろと読みます。
R215 G84 B85 #D75455/鉛丹色(えんたんいろ)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊
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