日本の伝統色「利休鼠」とは……
利休鼠は、緑味を帯びた灰色で、抹茶のような淡い緑色をした色。この色の名前は、茶道の大成者である千利休(せんのりきゅう)に由来しています。その昔、利休が好んだ静かな美学や、抹茶との連想から「利休」と名前が付き、特に緑を帯びた色合いに対して使われる傾向があるそうです。近代日本を代表する詩人・北原白秋が綴った詩には、梁田貞が歌をのせた『城ヶ島の雨』(大正2年・1913)にて、「雨はふるふる、城ヶ島の磯に、利久鼠の雨がふる」と歌われたことで、歌とともに色彩の美しさが広まったとされています。
利休鼠 = りきゅうねずみ
利休の美意識は茶道に深く影響を与え、派手さを抑えた渋さや静寂を感じさせる色合いが「利休好み」として江戸時代の粋な人々に愛されました。「利休鼠」は、りきゅうねずみと読みます。
R112 G124 B116 3707C74/利休鼠(りきゅうねずみ)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊
Premium Japan Members へのご招待
最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。
Experiences
Premium Calendar
日本の伝統色を知る
Premium Calendar