日本の伝統色「似紫」とは……
似紫色は、くすんだ青味のある赤紫色を指します。江戸時代初期、紫根を使った本紫は非常に高価で、使用が制限されていました。これに代わる染色法として、藍で下染めを行い、その上から茜や蘇芳を重ねたり、蘇芳を鉄で発色させることで紫色を再現していたのだとか。その名の通り、本紫に似せて染められたという背景から「似紫」という色名になったといわれています。一方、紫根染は紫根と椿の灰汁を用いた媒染によって行われ、完成までに長い時間と手間を要する高度な技術だったそうです。
似紫 = にせむらさき
使用が制限されていた紫は、古代から「高貴さ」の象徴。日本では奈良時代に冠位十二階制度が導入され、最上位の官位を示す色として用いられました。それに対し、似紫は江戸時代に庶民が広く用いた色でした。「似紫」は、にせむらさきと読みます。
DIC 日本の伝統色:R86 G46 B55 #562E37/似紫(にせむらさき)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
Premium Japan Members へのご招待
最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。
Experiences
Premium Calendar
日本の伝統色を知る
Premium Calendar