日本の伝統色「桜鼠」とは……
桜鼠は、淡い紅色に灰色や薄墨を加えた、くすみのある桜色を指します。一般に「墨染の桜」と呼ばれる桜の花の色とされ、ほのかな哀愁を帯びた優美な印象を与える色合いです。この色名は、江戸時代初期から染色に用いられていましたが、元禄時代(17世紀後半)以降に特に多く見られるように。実際、『吉井藤吉染見本帳』などの見本帳にも記載が残されています。「墨染の桜」の名称は、京都の墨染寺にまつわる哀歌「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染めに咲け」に由来し、哀愁を象徴する色としても知られています。
桜鼠 = さくらねずみ
灰色がかった桜色の中で、より明るいものを「灰桜」、やや濃いものを「桜鼠」と呼び分けます。「桜鼠」はさくらねずみと読みます。
DIC 日本の伝統色:R177 G150 B147 #B19693/桜鼠(さくらねずみ)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊
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