日本の伝統色「杏色」とは……
杏色とは、熟したアンズの実の色を由来とする淡いオレンジ色を指します。歴史を辿ると、アンズは中国原産の果実で、奈良時代に日本に伝わったとされています。江戸時代の本草書『大和本草』(1708年)には、アンズの花が紅梅より遅く、桃の花より先に咲くことや、果実が食用となり、その種子である杏仁が薬用や食品に使われることが記されています。しかし、色名としての「杏色」が一般に使われるようになったのは戦後のこと。加工されたジャムや缶詰が広まり、アンズの実の色が身近に親しまれるようになったことが背景にあります。
杏色 = あんずいろ
アンズの種子である「杏仁」は、漢方薬としても有名。特に、咳止めや喘息の治療に効果があるとされ、鎮咳去痰薬として使われます。「杏色」はあんずいろと読みます。
DIC 日本の伝統色:R247 G185 B119 #F7B977/杏色(あんずいろ)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊
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